スポンサーサイト

--.--.--.--.--:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

寝不足の素

2012.06.21.Thu.23:11
あああ、やはり一気に観てしまった…「El Cante Bueno Duele」。
昨年亡くなったモライートのドキュメント映画です。
昨夜は、一人ぼっちのHOMENAJE上映会となりました。
エンディングに登場する字幕「Gracias por tu arte, Morao. (¡ y los hongos !)」には、思わず泣き笑い。
マッシュルーム(los hongos)は、muy flamencoな味わいなのだということが、この映画を観るとよく判ります。



そして、またしてもYouTubeに睡眠時間を吸い取られる私…
いかんいかんあせる 今夜は寝るぞお…!!

宝石紫セノビージャ・ハポンの公式サイトはこちら

お気に入りの一曲

2012.05.30.Wed.22:22
Diego del Morao ——という名前に「?」という方でも、カルロス・サウラ監督の映画『Flamenco Flamenco』でMontse Cortésの伴奏をしていたギタリストといえば、思い出していただけるのではないでしょうか。
あるいは、昨夏急逝したMoraitoの息子さんと聞けば、ああ、と感じ入る方も多いのでは。

$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ


友人から勧められて購入した、Diegoのアルバム『Orate』。
何でもっと早く買わなかったんだろう、と後悔しました。
良いです…圧倒的に、良い!

洗練を極めたモチーフ。
こともなげに繰り出される超絶技巧。
でも、決して奇をてらうことはなく、粒立った音と音のあわいにはフラメンコが深く深く根を下ろしていて、聴いているうちに心が遠くに運ばれていくよう。

私はシギリージャが大好きで、耳にすると理屈抜きに気持ちがよくなってしまいます。
ただ、そのなかにも「覚醒系シギリージャ」と「催眠系シギリージャ」があって、寝る前にうっかり「覚醒系」を聴いてしまうとしばらく寝つけません。
アルバム4曲目の「Pago de la serrana」は、そんな私にとって、オヤスミ前に最適の一曲。
奔流のように慌ただしい昼間の律動を、深く鎮静した夜の流れへとスイッチしてくれます。

Diegoの父Moraitoのアルバム『Morao Y Oro』もお勧めの一枚ですが、残念ながら現在廃盤となっています(Amazonの中古販売では、何と一万円以上の高値がついてますあせる)。

$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ


フラメンコに限らず、名盤の多くがこうした形で手の届きにくいものになってしまうのは、本当に残念なことです。
再版を強く望むとともに、新しく世に出る多くの作品が、求めるひとの手許に届くよう、願ってやみません。
ひとは、一曲で救われ生かされることもあるのですから…

宝石紫セノビージャ・ハポンの公式サイトはこちら

堪能

2012.05.01.Tue.01:22
昨夜(あ、もう一昨夜になってしまった…)は久々にフラメンコ・ライブのハシゴをしました。
といっても、一軒のお店(恵比寿のサラ・アンダルーサ)で二つのライブを立て続けに観たのですが…

ひとつめは、昨年京都のフィッティング受注会で大変お世話になった市山奈緒美さんより東京で初ライブ(Especial Rincón Andaluza)に出演されるとのお知らせをいただき、これは見逃してはならぬと駆けつけました走る人
共演は、バイレが池谷香名子さん、相田彩子さん、ゲスト出演のセルヒオ・アランダ、カンテはフアン・ホセ・アマドール、ギターはエミリオ・マヤ、という豪華な顔ぶれ。
ステージは、一部制のシンプルな構成。
もうちょっと観たいなあ…という印象ですが、踊り手さんにとっては一曲に専念できるし、観ている側も最後まで集中が途切れず、終わってみればちょうどよいと感じられる長さでした。
踊りは、タラントの相田さん、グアヒーラの池谷さん、シギリージャ・コン・バストンの市山さん、そしてアレグリアスのセルヒオ・アランダ、とそれぞれの個性が全面に押し出され、客席もやんやの盛り上がりを見せ、お店全体が親密な空気に満たされて、とても楽しいいいライブでした。
ライブ終了後は、店内のあちらこちらでフラッシュがたかれ、記念撮影大会。
そんな喧噪のなかで、短い時間でしたが市山さんとワインで乾杯ワイン+立ち話もできて、久々のライブ感を堪能しました。

さて帰ろう、と店の外に出たところ、エミリオとセルヒオが「もう一仕事あるんだ」と言うので、あれ?二部もあるの?と聞き返したところ、さにあらず。
彼らは、次のライブのために待機していたのでした。
聞けば、この日は一日5ステージ(!!)とのこと。
うっわー、タフすぎるあせる
ていうか、働き過ぎでしょ、それは(私が言うのも何だけど、)…
一緒にライブに来ていた宇佐美八千代さんは、ちょうど一週間前に彼らと共演していたこともあり、その激務ぶりをよく知っていて、休憩中にコンビニへと走り、彼らに栄養ドリンクを差し入れていました。
エミリオは、「いまアルコールを飲むと気が抜けるから」と、栄養ドリンクを一気飲み。
衣裳を脱いだら普通のくたびれたオニーチャンになってしまったセルヒオは、「マッサージに行きたいなあ…」とポツリ。
不肖ながらワタクシ一応リフレクソロジーならできるのですが、その場で横になってもらうわけにもいかず、仕方がないのでカンタンな血行促進セルフケアを伝授(私まで、ここで仕事かよ汗)。
あー、とか、うー、とか言いながら、肩をほぐすセルヒオ。
おいおい、次のステージ大丈夫かー…?

そんなわけで、次のライブ(Cinco Oros Flamencos)も立て続けに観る流れに。
バイレはイネス・ルビオ、マラ・マルティネス、セルヒオ、カンテはマヌエル・タニェ、ギターはエミリオ。
客席を見回すと、先ほどとはうってかわってガラガラで、何だか彼らが気の毒になるほど。
でも、ヤケになることもダレルことも腐ることもなく、ステージが始まると懸命に唄い、踊り、奏で、そうこうしているうちに彼ら自身が乗ってきて…ああ、これぞフラメンコ!
先ほど、あれほどしんどそうな表情を見せていたセルヒオ。
「疲れのせいで肌あれしちゃったのよ」と話していたイネス。
休憩中片時もタバコを手放さず、椅子に埋まるように腰かけていたマラ。
みんなさっきの表情はどこへ行ったの?というくらい、パワー全開+ときにはユーモアたっぷりのパフォーマンスを見せてくれました。
そして、マヌエル・タニェのソレアは、身体全体が巨大な声帯と化したかのよう。
深い処から響き上がってくる聲が圧巻で、密かに録音したいと思うほど素晴らしかったです。
こんなクオリティのライブに、この閑散とした客席は本当にもったいないなと思います。
彼らのライブは、5月3~6日にもあります(そして6日はまたも一日5ステージ…ビックリマーク)。
未見の方、お時間がありましたらぜひ足をお運びくださいね。

$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ


foto : ライブ終了後、ようやく解放された働き者たち。左よりエミリオ、セルヒオ、私、マヌエル。小皺が目立たぬよう(?)程よく暗いアングルを選んでくれた名カメラマンは宇佐美八千代さん(笑)。感謝!

宝石紫セノビージャ・ハポンの公式サイトはこちら

PhysicalとPhysics

2012.04.26.Thu.19:55
フィッティングやフットケアにお越しのお客さまから、何かいい本はありますか?というお尋ねをいただくことがあります。
世に良書はたくさんあり答えに迷うのですが、なかでもぜひお勧めしたいのが、以下の二冊です。

             一冊目はこちら。

$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ


 『やさしいダンスの解剖学』セリア・スパージャー著 大修館書店

初版はなんと、1949年。
この分野の本としてはすでに「古典的名著」といってよいと思いますが、内容はまったく古びることがなく、現在も通用するものばかりです。
主にバレエ指導者に向けて書かれた本なので、タイトルで「やさしい」とうたっている割にやさしくないのですが(^^¡)、じっくりと読み進めていけば、予備知識のない読者にもしっかりと伝わるように丁寧に書かれています。
骨格配列(アライメント)が乱れるとはどういうことか、どうやってチェックすればよいか、どのような方向で修正すべきか、等々…
これらはバレエだけでなく、フラメンコや他のダンス、スポーツなどとも共通するテーマです。
モノクロながら的確かつ判りやすい図版・写真も多数収録されており、これらは最近の医学論文にも引用されるほど、正確で適切なものです。
60年以上前に書かれたものであるにもかかわらず、残念ながら、本書の助言や警告がしっかりと受け止められていない光景は日常的に散見されます(もちろんバレエに限らず、他ジャンルの舞踊教育から学校教育における「体育」、競技スポーツに至るまで)。
とくに足や身体に何らかのトラブルをお持ちの方は、本書に登場する数々のトラブル例のなかに、ご自身が抱える問題と似たものを見出すことができ、改善や補正への示唆を得られるのではないかと思います。

           そして、二冊目はこちら。

$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ


 『やさしいダンスの物理学――ダンサーの動きは、なぜ美しいのか』
          ケネス・ローズ著 大修館書店


邦題は一冊目の本歌取の趣ですが、原題は「Physics and the Art of Dance―Understanding Movement」といい、物理学の視点から身体の動きを丁寧に説き明かした解説書です。
著者は、ダンスを愛してやまない物理学者。
芸術への最上級のリスペクトを払いつつ書かれた本書は、単なる科学的分析を超え、「物理学(Physics)」が文字通り「身体の(Physical)学」であり、身体芸術もまた物理現象であることを証す好著です。
優れた踊り手による身体操作法がいかに物理法則に則ったものであるか、その法則を知識としてではなく直感や経験知として身につけている踊り手たちがいかに素晴らしいか…著者の芸術や芸術家への感嘆と賞賛が、読む側にも熱く伝わってくるような文章です。

各章のトビラにある「小咄」もとてもユニーク。
たとえばある章の冒頭では、こんなストーリーが紹介されています。

「明日の舞台で、あなたの2回転のトゥール・ザンレール(垂直にジャンプして、空中で2回転する)に注目が集まることになっています。でもあなたはまだ1回転半しかできないのです。しかも、動きが雑に見えます。
 せめて準備動作だけでもきちんとして、回るときに慣性モーメントを小さくしようと、あなたは足を締めた、よい5番ポジション(右足のつま先が左足のかかと、右足のかかとが左足のつま先にそれぞれつくポジション)に保ちます。
 でも、他の人はそれほど5番ポジションに気をつけていないようです。実際、仲間のひとりが「少しごまかしなよ! そうすれば少なくとも2回転ぐらいならできるだろうよ」と言います。あなたは混乱してしまいますが、突然彼が何を言わんとするのかを理解します。そして、次に2回転のトゥールに挑戦したとき、あなたは2回転を超えて回り過ぎました! しかし今では、回転をコントロールすることまでできます。友人が分け与えてくれた秘密とは、何だったのでしょうか。」


章を読み終えるとこの答えが読者にも判る、というなかなか楽しい仕掛けで、興味深く読み進むことができます。
記述はバレエが中心ですが、何せテーマが物理学ですから、他のジャンルのダンスやスポーツなどにも当てはまることばかりです。

おそらく一冊目の「解剖学」より二冊目の「物理学」の方が読みやすく、一般受けしやすいかもしれません。
でも、とくにフラメンコを踊られる方には、できればぜひ 一冊目 → 二冊目 → 再び一冊目 …という順序でお読みいただけるといいなと思います。
なぜなら、一冊目の本が示すように、骨格配列(アライメント)をきちんと整えなければ、二冊目の本が紹介するような美しい動きを実現することは非常に難しいからです。
逆に、自分自身の身体をナチュラルに整えるだけで、物理法則がいかにあなたの身体を支え、芸術への扉を開いてくれるかも、二冊を読み終わるとストンと肚に落ちるのではないかと思います。

進む方向を見失いそうなとき、良書は羅針盤の役目を果たしてくれます。
うまくいかないと焦りながら長時間練習するより、ときには一息ついてページを繰ってみると、意外な発見があるかもしれません。

オススメですビックリマーク

宝石紫セノビージャ・ハポンの公式サイトはこちら

フラメンコの無限ループ

2012.03.29.Thu.04:36
弊社でおこなっている体幹トレーニングは、姿勢維持筋群を使ってしっかりと立つ、リラックスして不要な力みをなくす、の二点がキモといっても過言ではありません。
この二つは相互に補完しあっていて、前者ができれば 後者も割とスンナリできるようになりますが、前者をクリアしないとなかなか後者にたどりつけません。

ではなぜリラックスや力みをとることが大切なのかと言えば、それは「他力」を自分の身体の内に呼びこむために必要不可欠な条件だからです。
もちろんフラメンコだけでなく、すべての身体運動は地球が持つエネルギーの作用を受け、それを利用しています。
しかし、わけてもフラメンコは、手段ではなく目的として、この作用を身体の内に取り込みながら運動エネルギーのループをダイナミックに循環させるところに、大きな特徴があると言えるでしょう。

....................................................................................................

実際のトレーニングでは、主に二つの方法で、この運動エネルギーのループを感じていただくことを大切にしています。
a) 身体と大地との間でエネルギーのキャッチボールをおこなうこと
 =自然な姿勢やフォームを身につけること
b) 身体と大気との間でエネルギ—のキャッチボールをおこなうこと
 =自然な呼吸を身につけること
…(*註)

....................................................................................................

a は、言わば「ニュートン力学」の世界です。

①トレーニングの最初に必ずおこなうニュートラル・ポジションとは、「ニュートンの第一法則(慣性の法則)」を自分の身体で味わうことを意味します。

②その体勢から、「Preparacion」——すなわち安定した状態から脱し、次の体勢へと移行する行動——を起こします。
これは、「ニュートンの第二法則(質点の運動量の時間的変化は、それにかかる力の大きさに比例し、力の方向に作用する)」を体現したもの。
この行為は、行為者の自由意志=「自力」によって担われます。
フラメンコでは、ときに意図的に時差を作り出したり、地球よりはるかに重力の大きい星で動いているかのように振る舞ったりすることがあります。
「粘り」とか「溜め」などと呼ばれるのは、この挙動によるものです。

③「Preparacion」の結果生じるのが「他力」で、これは「ニュートンの第三法則(作用・反作用の法則)」に該当します。
どのような「Preparacion」をおこなうかによって、「他力」のあり方も変化します。
これは例えば、溜めを作った後の「キレ」などに当たる部分です。
「他力」を再び身体に取り込むためには、「他力」に反発せず、柔軟に受け止められなくてはなりません。
身体が充分にリラックスして「他力」を内に取り込むことができれば、それが次のニュートラル・ポジションを生み出したり、「Preparacion」のエネルギー源になっていきます。

こうして①、②、③はループをなし、絶えず互いを往き来しています。
終わりは次の始まりに、始まりは何かの終わりとなり、果てしなく続きます。
踊りならば、音楽が続く間じゅう、ずっと…。

....................................................................................................

こうした身体の振舞いをベースで支えるのが、呼吸です。
体幹トレーニングを始めたばかりのお客さまを拝見すると、総じて呼吸が浅く、とりわけ息を肚の底に送り込み、最後まで吐き切ることが不得手なようです。
また、姿勢のアドヴァイスをすると、鏡を見ながら胸や肩など身体の各部分を動かしてととのえようとする方も多く見受けられます。
でも、ただ深~く息を吸って吐ききるだけでも、力みの多くは抜けていきますよね。
そうすれば、ほら、自然とまた深呼吸したくなるでしょう。
これは、命の果てまで続く無限のループであり、無限の音楽です。

....................................................................................................

自力だけを頼みとする一人相撲フラメンコや、酸欠フラメンコ(または過呼吸フラメンコ)では、共演者も観客も、いや何より自分自身が疲れ切ってしまいます。
フラメンコの神さまは、決してそんな苛酷な要求はしていないはず。
深く息を吸い込んで吐き出し、「他力」を待ち受けていれば、あとはよしなに計らってくれる…そんな優しさも、フラメンコにはあるような気がします。

そして、何よりもフラメンコにおいてこのループ感がひときわ印象づけられる理由は、その基底に生と死のループを強く意識したアルテだからでしょう。
終わりは次の始まり、始まりは何かの終わりとなって、果てしなく続く命のループを。

生と死、昼と夜、夏と冬、陽と月、陸と海、空間と時間、男と女、そして、あなたとわたし。
二つに分かれて見えるものが、本当は大きなループで繋がっていて決して切り分けられないことを、フラメンコの神さまはそっとコンパスに忍ばせて教えてくれようとしているのかもしれません。

....................................................................................................

*註 : 余談ながら、フラメンコのDuende(精霊・魔物)には「地」からやってくるという説と「空」からやってくるという説があります。
この二つのループともぴったり照応していて、とても興味深い伝承だと思います。
稀有な表現者の一身に宿る「自力」と「他力」の邂逅を、伝承の担い手たちはきっと熟知していたのでしょう。


宝石紫セノビージャ・ハポンの公式サイトはこちら
« Prev | HOME | Next »
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。