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リラックス、してる? 1/2

2012.10.23.Tue.20:32

このところ立て続けに「リラックスが苦手」とおっしゃるお客さまがご来店されました。

Aさん「がーっと突っ走るのは得意だけど、休んでいるつもりが気がつくと何かしら動き回ってるの」。

Bさん「明日は早いから眠らなきゃと思うと焦って、かえってギンギンに目が冴えてきちゃうんです」。

Cさん「寝てる時でも身体が緊張してこわばってるらしくて、起きた時に肩に凄い力が入っててビックリしました」。

Dさん「故障や不調で病院にいくたびに、原因は過労って言われるんですけど、全然自覚ないんですよねー」。

いやはや、みなさんかなりのリラックス欠乏症です。
生きるって、大変だ…

とは言うものの、考えてみれば「リラックスが大得意」という人は、少数派なのではないかしらん。

とりわけフラメンコを踊られる方の中には、「辛いけどがんばるぞ」と苦行をみずから追い求める傾向が強いように見受けられます。
言わば、攻めの姿勢とMっ気がタッグを組んで、猪突猛進といった感じ。
無理なスケジュールでもエイヤッと気合いで乗り越えてしまったり、
休むことに罪悪感をおぼえたり、
やり抜くと決めたものを中断することに強迫的な不安を感じたり…

結局、身体が「もう無理~!」と悲鳴を上げてバターンと倒れるまで、オーバーワーク街道をひた走ってしまうのです

リラックスの得手不得手は、もちろんその方の個性も反映しますが、実は「技術」に左右される部分もとても大きいのです。
むしろリラックスが苦手だという自覚がある人にこそ、技術的サポートは重要な意味を持ちます。
テクニックには、心理学、脳生理学、精神医学、運動生理学、呼吸法をはじめとする身体操作法、そして寝具や医療器具などの外的な力…等々を組み合わせたさまざまなメソッドがあり、自分にもっともフィットする方法を見つけていただけると良いのですが、大多数の方に当てはまるリラックスへのスイッチのひとつが「呼吸」と「眠り」です。

以前、演出家・劇作家の野田秀樹さんが、「腹を抱えて笑う」という演技が苦手な俳優への指導として、腹筋を大きく動かす練習を指示したという話を聞いたことがあります。
はじめは心の底から笑えなくても、笑ったときの身体の状態を意識的に再現することで、だんだん可笑しくなってくる、楽しくなってくる…ということを目指したものだと思います。
入口は形や外見を真似ることであっても、内面を学ぶことにつながっていくんですね。

というわけで、緊張しやすい方は、一にも二にも深呼吸が大切です。
もちろんリラックスしていないと深い呼吸はできないのですが、深呼吸する身体のあり方を味わいながら、少しずつリラックスに近づいていけばいいのです。
やり方はとっても簡単。
目を軽く閉じて、楽な姿勢をとり、できるだけ深ーい呼吸を心がけます。
身体のどこかにこわばりがないか点検しながら、それがほどかれていくような気持ちで息を吐きましょう。
うまくいかないときは、硬く結ばれた紐がスルリと解けるようイメージや、氷が温かいお皿の上でジワーンと溶けていくビジョンなどを思い浮かべながら、トライしてみましょう。
あるいは、これまでに訪れたことのある気持ちのよい場所や、子どものころに遊んだ場所にいると想像してみるのもいいでしょう。
フラメンカの多くはイメージング力(=妄想力とも言う?)が豊かですから、言葉よりも画像や映像の方が楽に操作できると思います。
でも、映像のディテールまで再現しようとがんばらず、気持ちいいなあ…と思える空間でふわふわと漂うような感覚がベターです。
最初は、深呼吸ですら「がんばって深く呼吸しよう」と力む方が多く、空気が入っていかないのに無理にお腹を膨らませようとしたり、呼気が荒くなったりしがちです。
それでもOKたかが呼吸なんて、人間なら誰でもできることですから、完璧にやろうなんて思わないことです。

続けているうちに、バクバクしていた心臓も少しずつ落ち着いてきて、静かで深い呼吸ができるようになってきます。


目を閉じて深い呼吸をすることは、いつも外界に向いている関心を自分の内面に向けるのにも効果的です。
喧噪を離れ、心臓や血管を流れる血液の音、胃腸が動くリズム、…などに耳をすませましょう。
日頃は気づかない身体の不調や疲労などのメッセージも、キャッチしやすくなります。
ウトウトしかけたら、そのまま居眠りしちゃうのもアリ。
顕在意識を休ませ、潜在意識に心身を委ねる…たまにはそんな「無駄」な時間の過ごし方も悪くありません。

…いやいや、そうは言ってもなかなか寝つけないのよ、という超緊張覚醒系のアナタには、次回のブログで別のアプローチをご案内しまーす。


フットケア女子 from京都

2012.09.02.Sun.12:38
今回は、とてもステキなお客さまをご紹介いたします。

Mさんとは、昨年京都のフィッティング受注会で靴をお買い上げいただいて以来のご縁です。
完成した靴を郵送でお手許にお届けしてほどなく、下記のようなイラスト入りのメールをいただきました。
それは、かなり激しい足の痛みについてのご相談でした。

o0444077512166560720.png


電話でお話を伺うと、どうやら靴のサイズが合わないわけではなく、素足でも相当痛むご様子。
東京にお住まいなら直接お会いしてより詳しくお話を伺えるのですが、京都にお住まいではそうもいきません。
そこで、まず整形外科の受診をお勧めしました。
しかしその後「レントゲン検査異常なし」との診断を受けたMさんから、下記のような失意のメールをいただいてしまったのです。

今回の診断について私は非常にがっかりしています。
足を診てくれるのかと思っていたのですが診てくれない。
首と腰の痛みについては生活習慣と痛みを気にしすぎ等による精神的プレッシャーを指摘される。足、腰、首について私は自分でできる限りのことはやっています。
筋トレやストレッチ、常に姿勢に気をつけることです。
どうやら先生は足裏をあまり重要視してはおらず、根本的な解決より問題にいかに対処していくかを考えているようです。


これには、受診をお勧めした私も申し訳ない気分で一杯になりました。
痛みや、大好きなフラメンコの練習をセーブしなければならない辛さは、レントゲンには映りません。
医療の問題は複雑で、この例をもってただちにその病院を責めることはできないかもしれません。
ただ、すがる思いで病院の門をくぐる患者さんの想いに、現代医療がきちんと応えきれていないことは、しばしば受診を勧めることのある私たちフィッターも肝に銘じておかなくてはならないと思います。
このときは、京都で足専門外来のある病院を何カ所かネットで検索してお伝えし、セカンドオピニオンをとるようお勧めしました。
Mさんは、足専門をうたう病院の門を叩き、骨格のアライメント不良をサポートするインソールをあつらえ、医師から勧められたトレーニングに励みました。
しかし、数ヶ月後、やはり下記のようなご連絡がありました。

先日、一ヶ月前に診ていただいた足専門の先生のいる整形外科に行ったのですが満足のいく診察ではありませんでした。
足の問題悩み始めてからもう六ヶ月経つにもかかわらずこれといった解決策が見つからずとても辛いです。
練習したいのに痛くてできないというフラストレーションもあります。
(中略)
病院で作ったインソールを毎日使っているので立ち仕事による足裏の痛みはましになりましたがやはり痛いです。


そして驚いたことに、そのメールにはこんな一文がありました。

そこで思い切って○○さん(=私)のところに行ってみたいと思います。
足を正常にするためであれば精一杯の努力はするつもりです。


正直なところ、え?ホントに来るのw?というのが、その時の感想でした。
しかしその二週間後、Mさんはホントに深夜バスで東京までやって来ちゃったのですビックリマーク

待ち合わせに現れたMさんは、ポワーンとした印象の可愛らしい女子でした。
フットケアでは、いつものごとくアーチテーピングと体幹トレーニングを行いました。
また姿勢による骨格の歪みを改善するため、ご自宅でできるトレーニングや、ご自身で姿勢をチェックする方法などもアドバイスさせていただきました。
その間Mさんは熱心にノートをとられ、またメモを見ながらこれまで疑問に思っておられたポイントを次々と質問され、さらには書棚にある解剖学の本などの参考文献などにも目を通され、…とにかくできるかぎりのものを吸収して持ち帰ろうという意欲に溢れていました。

二ヶ月後、こんなメッセージとともに、二回目のフットケアのご予約希望をいただきました

足裏の痛みが徐々にましになってきていてとても嬉しいです。
ここ最近は腹筋、股関節、膝の向き、足裏の接地面の密接な関連を実感するようになってきました。


再会したMさんは、体型も醸し出す雰囲気もすっかり変わっていて、別人と見紛うほどでした。
スックリとした立ち姿は、可愛らしいというより、きれいなお姉さん、という感じです。
たった一回のフットケアでここまで変化があるなんて…ビックリマーク
前回の施術以来、ずっと意識的に姿勢の改善とトレーニングに取り組んでこられたんだなあ…と感動しました。
この回は、以前にも増してノートに並ぶ質問の数が増え、質問内容もより専門的で詳細なものに変わっていきました。

そして昨日、三回目のフットケアにやってきたMさん。
後傾気味だった骨盤が安定し、ヒップが引き締まり、内反していた膝もすっくりと前を向き、ウエストのくびれがぐっと上にあがり、何だか眩しいくらいキラキラと輝いています。
新しい姿勢がかなり板についてきて、もう足の痛みもほとんどなくなったとのこと。
よくよく話を伺うと、何とMさん、現在絶賛恋愛中なのだそうドキドキ
しかも、前回フットケアにいらした時に東京で運命的に出逢ったというから驚きです目
そもそもMさん、フラメンコを始めたキッカケが、恋敵がフラメンコを踊る女性だったので、対抗心を燃やして(←あああ、フラメンカだねえ…)習いはじめたのですが、新しい彼がステキすぎて、かつての想い人は吹き飛んでしまった爆弾のだとか。

でも昔好きだった彼がいなければフラメンコを始めなかったし、
フラメンコを始めなければ足の問題に気づかなかったし、
足が痛くならなければ東京にフットケアに来なかったし、
フットケアが効果がなければ何度も京都から通わなかったし、
二回目にフットケアに来なければ彼に出逢わなかったし、
だからすべてが必然ですべてが繋がってるんですよねw
ドキドキドキドキドキドキ

んー、それって前の彼もフラメンコもフットケアも、全部ダシ扱いってコトじゃね?という私の突っ込みは完全にスルーされ、フットケアを終えたMさんはいそいそと彼の待つ場所へ。
その幸せオーラダダ漏れ状態の後ろ姿を見送りながら、思わずこちらまで顔がほころんでしまいました。

Mさんのように遠方にお住まいで、毎週フットケアには通えないという方でも、継続的にご自宅でトレーニングとケアに取り組んでいただければ、努力の成果はちゃんと現れます。
モチロン、絶対ステキな彼ができるというところまでは、保証の限りではありませんが(笑)

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前肩について

2012.06.11.Mon.21:31
久々にマジメ(?)なテーマのブログですあし
フットケアと体幹トレーニングを開始して三ヶ月目に入ったあるお客さまのエピソードをご紹介します。

ご自身のペースでのんびりとフラメンコを楽しんでおられたある日、先生のリサイタルに大抜擢され、上級者揃いのグループで群舞に参加することになりました。
これまでにはないハードな練習が続き、ちょっとお疲れ気味の彼女に、先輩からトドメの一言が。
「あなたは生まれつき前肩だから仕方ないけれど、群舞では目立ってしまうから、肩をできるだけ後ろに反るようにしてみてね」。
言われた通りにしてみると、身体全体がこわばって、とても踊りどころではありません。
「どうしよう…これじゃ踊れない汗」。

俗に「前肩」「巻き込み肩」などと称される、肩甲上腕関節・肩鎖関節・胸鎖関節などの変位。
フラメンコを踊っておられる方のなかには、とりわけこうしたお悩みが多く見られます。
「フラメンコは後肩がよい」という広く流布した誤解も、この悩みに拍車をかけているのではないかと思います。
言うまでもなく、フラメンコであれ日常動作であれ、関節を一定のポジションに固定することが身体にいいはずはありません。
必然性に即して、必然的なポジションで身体を操る、これは肩に限らずすべての部位で大切なポイントです。

先天的疾患や障害などによって関節可動域が制限されているわけではないのに、「前肩」になってしまう原因の大半は、やはり日常的な姿勢の癖による筋の拘縮や筋力低下です。
現代の私たちの生活の多くは、腕を前方・下方で使う作業が圧倒的に多いのです。
パソコン作業などを長時間同じ姿勢で行うなどは、その典型でしょう。
腕には、体重が50kgの人の場合で3~4kgの重さがあると言われます(*註)。
それだけの重みが常に同じ方向にかかっていてあまり動かなければ、身体の前部の筋肉は縮みこまり、背部の筋肉は伸びきってしまいます。
これは、肩こりや首こり、腰痛などにもつながっていきます。

では、肩甲骨をできるだけ引き下げ、ぐっと背筋を伸ばせば「前肩」は改善するのでしょうか?
残念ながら、Noと言わざるを得ません。
先輩の指導に従って「後肩」にしようと涙ぐましい努力をされているお客さまは、関節可動域が狭いのを何とか補おうとして背中をぐっと前に突き出し、肩甲骨の間が極端に狭まるというきわめて不自然な姿勢になってしまっています。
これでは、ブラッソをしなやかに動かすことも、クエルポをコントロールすることもできません。
無理矢理動かそうとすれば、それはブレーキをかけながらアクセルを踏むのと同じこと。
より大きなトラブルにも繋がりかねない、危険なアクションです。
加えて、「前肩」の身体の多くには、脊柱や骨盤の骨格配列の乱れが見られます。
このため、局部的に改善しようとしてもうまくいかないことが多く、身体全体の骨格のアライメントを正常化していくことが必要になります。

この日、フットケア+体幹トレーニングにいらしたお客さまに、まずいつも通りニュートラルポジションで立っていただきました。
ニュートラルポジションとは、運動するときに使う筋肉をできるだけ休ませ、姿勢をととのえる必要最低限の筋肉で立つ、「省エネ」姿勢です。
脱力すると、身体は自然と地球の中心部に向かいます。
言わば、地球の重力で「整体」をしてもらう、という感じでしょうか。
この時点ではやはり「前肩」が目立ちますが、まずは体幹から整えなくては始まりません。

次に、このニュートラルポジションを維持したまま、深呼吸をしながらブラッソを動かすストレッチを行います。
このとき大切なのは、決して胸や背中を反らせないこと。
反らせてしまうと、動かしたいところとは異なる部分が働き、肝心の関節は固定されたままになってしまいます。
肩甲上腕関節は、「球関節」とよばれる丸い形状の関節で、多方向に動く機能を持っています。
体幹をしっかりと保ち、関節の形や動きを意識することで、動かしたい部位をしっかりと把握することができます。
いつもはあまり使わない後方、さらに後上方にも腕をもっていき、ゆっくりと無理のないペースと範囲で動かしていきます。
ただし、痛みを感じるところまでやるのはNG。気持ちよく伸びをするような感覚が大切です。
最後に、ブラッソをうーんと真上に伸ばし、だらりと脱力。
これだけでも、肩位置がだいぶ補正されていきます。

ブラッソには、それ自体の重み=自重があります。
自重を感じながら無理なく動かすことは、しなやかに踊る上でも、トラブルを防止する上でも、とても大切。
しかし、関節をロックして腕自体に不自然に力を込めてしまうと、ブラッソの自重を感じることはできません。
自覚しにくい方には、500mlサイズのペットボトルなどあまり重くないものを手にして、ブラッソ練習をしていただくこともあります。
ブラッソを下げる、前に挙げる、横に挙げる、後ろに引く、真上に挙げる…それぞれのケースで身体がどう感じどう反応するかをじっくりと観察してみると、身体の自重=地球の重力がどんなに踊りの手助けをしてくれるかがよくわかると思います。

結果を求めるあまり、形だけを追い求めようとすると「正解」はどんどん遠ざかっていきます。
「前肩」の改善は、遠回りなようでもやはり原因まで立ち戻り、じっくりと姿勢やフォームの見直しに取り組むしかありません。
急がば回れ、ですね。

最後に…
フットケアなのに、なぜブラッソ練習?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
フラメンコには、野生動物のような自然の摂理にかなった身体技法が求められます。
つまり、ブラッソ=前脚、肩甲骨=前脚の骨盤、肘=前脚の膝、手首=前脚の足首。
そう考えると、体幹と上肢・下肢の関係がさらに深く理解できるのではないかと思います。

*註 : 一般に「腕」とは、肩甲上腕関節より遠位(=肩より先)を指すものと解されています。しかし、スポーツやダンスのように身体を自由に操作するジャンルでは、「上肢」の概念がより重要となるでしょう。
上肢は、上肢帯(鎖骨、肩甲骨)と自由上肢(上腕骨、橈骨、尺骨、手根骨、中手骨、指骨)からなります。つまりブラッソの付け根は、身体の前部では喉元のあたり、背部では肩甲骨からと考えなければなりません。ブラッソを操る際に陥りやすい誤りのひとつに、肩を固定したまま先だけを操作しようとして不自然な挙動になってしまうケースが挙げられます。
なお、両上肢の重さは、体重が50kgの人の場合4~5kgが目安といわれます。


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祝・体幹ー足裏間トンネル開通

2012.02.08.Wed.02:54
弊社のフットケアは、通常のエステサロンやフットケアサロンとはやや趣が異なり、もっとも力を入れているのがアーチ補正テーピングと体幹トレーニングによる姿勢やフォームの修正です。
ときには裏メニュー(?)でリフレクソロジーや角質ケアなどをおこなうこともありますが、これらはカウンセリングの結果、浮腫みがひどかったりウオノメが痛かったりして、正しい姿勢や動作に支障を来す場合に限らせていただいています。
(つまり、スタッフ一名でフィッティングからフットケア、調整修理、その他の業務をおこなっているため、他店でも提供しているサービスは、恐縮ながらご遠慮させていただいているのです。スミマセン!)

フットケアについては、これまでもたびたびブログでご紹介してきましたが、そもそもなぜ「アーチ補正テーピングと体幹トレーニング」なのでしょう。
体幹筋群をしっかり使って、正しい姿勢をキープしたり、ムリのない動作を心がけることは、フラメンコを踊ると否とにかかわらず、とても大切。
しかし、実は体幹と手足などの身体の末梢部は密接な関係があり、体幹だけを意識して長年の癖を改善するのは容易なことではありません。
とくに、体重を支え、歩行や走行、ジャンプ、回転などのたびに大きな負荷のかかる足が、足裏のアーチを使ってしっかりと地面を捉えられないと、体幹と末梢部の連携が妨げられ、その間にある関節(股関節、膝関節、距腿・距骨下関節、ショパール関節、リスフラン関節、MP関節)に無用な負荷をかけることになります。

フットプリントをとると、しばしば荷重の偏りや不安定さが写し出されます。
しかし、これらはトラブルの「結果」であることも多く、その場合「原因」はより体幹に近い部分に見出されます。
このことを、私は会社組織の例を使ってお客さまにご説明しています。
体幹という「社長」がサボると股関節の「部長」にしわ寄せが行く、「部長」もサボると膝関節の「課長」に、「課長」もサボると足首の「係長」に、「係長」もサボると…という具合です。
外反母趾、ハンマートウ、巻き爪など、大きなトラブルに見舞われやすい前足部は、言わば「平社員」。
本来予定していなかった重労働を押しつけられてオーバーフローしてしまった「平社員」は悲鳴を上げているのですが、その声はなかなかトップまで届きにくく、その結果負の連鎖がトラブルを呼び込んでしまうのです。
もちろん「社長」以下、然るべきポジションで然るべき業務が整然と行われていれば、このような不幸な事態にはなりません。
しかし、身体の各部分すべてに神経を行き渡らせ、正しく身体を使いこなすことは、癖が強ければ強いほど難しくなります。
「アーチ補正テーピングと体幹トレーニング」は、したがって、身体の中心部(社長)と末梢部(平社員)の両端から、エネルギーとコミュニケーションの回路を開通させる試みとなります。
これは、「社長」と「平社員」が健全性を保てれば、その間にある各ポジションからも不要な力みがなくなり、軸全体の歪みが補正されていく、という発想に基づいています。

定期的にフットケアに通って来られるお客さまは、個人差はありますが、およそ3ヶ月目あたりから効果が目に見えて現れ始めます。
今日は、そんななかからお一人の声をご紹介します。

昨秋からテーピング施術を開始し、現在は並行してセルフテーピングレッスンを受講中のMさん。
接骨院で右足が内転(*註)しているとの指摘を受け、左足は母趾球(第一趾=親ゆびの付け根)に外反母趾初期疼痛があり、腰痛や肩こりも…という状態でのスタートでした。
チャーミングな笑顔の絶えないステキ女子なのですが、身体にも足先にも独特のこわばりが見られました(こういう方は、たいてい根がマジメで「きちんとしなきゃ!」という意識が強い方が多いのです o(T^T)o)。
その反面、気を抜くと体幹から力が抜けてしまい、腰と胸を反り下腹部を突き出すような癖をお持ちでした。
はじめて施術をおこなった時は、硬縮した足の筋肉がテープに抵抗するような印象があり、関節の力みが身体の自由な動きをセーブしてしまっていたため、体幹を使って動くというイメージがつかみづらかったようですが、回を重ねるごとに足は柔らかさを取り戻し、姿勢の癖もとれてきました。
最近では、テープを貼ると回外した足が素直にまっすぐを向くようになってきています。
ご自身も「フラメンコってもっと辛くなきゃダメなんだと思ってました。身体がすごく楽になって、この楽さにまだ慣れていない感じ(笑)」と、なかなか味わい深い感想を述べてくださっています。

そんなMさんから、昨夜体幹トレーニング終了後、こんな質問を受けました。
「この前自主練で、いつも注意されるお尻と太腿の後ろを意識してサパテアードをしていたら、軸足の骨盤がしっかりと立って、反対の足がものすごく打ちやすかったんですけど…これって合ってますか?」
もちろんビックリマーク これこそ、足と体幹を結ぶ回路が開通した瞬間です。
軸足にまっすぐ安定して100%身体を預けることができれば、当然ながら反対の脚足は完全にフリーになります。
このため、サパテアードのときにふらついたり身体が上下したり反対足の動きに振り回されることもなく、楽に打てるようになるのです。

両方から掘り進めてきたトンネルが開通したんだね、オメデトウ晴れ

もちろん、フットケアに通うだけで姿勢の癖がとれたり、足の状態が劇的に改善するわけではありません。
Mさんは、ご自宅でもフラメンコの練習中も、以前の姿勢に戻ってしまうたびに「イケナイイケナイ…」と根気よく姿勢の改善に努めてこられました。
やはり、根がマジメな方なんですね足あと

正直に告白すると、私の体幹の「社長」も逃亡癖があり、あれ?どこ行った? ということはままあります。
とくに寝不足だったり疲れている時は、体幹から力が抜けやすいもの。
そんなときは、「イケナイイケナイ…」と社長を連れ戻し、ちゃんと仕事をしてもらわなくてはなりません。

みなさんの「社長」は、働き者でしょうか?
もし不当に長いバカンスをとるような「社長」なら、まずはその自覚が入口です。
そして「イケナイイケナイ…」と連れ戻す習慣をつけることが、改善への第一歩になるのです。
がんばれ、社長!!

*註 : 接骨院では足が内転(足首から先が内側=親ゆび側に向くこと)していると指摘を受けたそうですが、私が拝見した限りでは、それ以上に股関節の内転、内反膝(いわゆるO脚)、前足部の回外(足を投げ出すと足裏同士が向かい合い、立つと小ゆび側に重心が偏る傾向)が顕著でした。

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タオルギャザー

2012.01.24.Tue.00:50
「ウチの彼、足趾(ゆび)の力がめちゃくちゃ強くって、私が寝てるときなんか、脚を足趾でつねって起こそうとするんです」。
昨年から継続的にフットケアに通っていただいているお客さまが、テーピング中にこんな話をされました。
個人的な好みからいえば、足趾でつねられるよりは優しいキスドキドキで目覚めたいところですが、いやいや、フットケア施術中の私のツボは、別のところにあるのでございます。
「え、Mさん(←お客さま)は足趾でつねったり、モノを挟んだりできないの?」
「えー、絶対ムリw。足趾に力が入らないし汗
「ふっふっふ、じゃあ今日は特別メニューをご用意しましょう」

というわけで、本日はアーチテーピングのあと「タオルギャザー」にチャレンジしていただきました。

$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ


「タオルギャザー」とは、その名の通り、床に敷いたバスタオルを足趾で手繰り寄せる(いや、「足繰り寄せる」か…)トレーニング。
方法は、以下の通りです。

1まず、座位のニュートラルポジションで椅子に腰掛け、膝関節、距腿関節(=足首)がほぼ90度になるよう姿勢をととのえます。
腹部には軽く力が入りますが、背中や胸は反らさないようにしてください。
2バスタオルを床に敷き、足趾を使って、一番手前から順番に手繰り寄せていきます。
3さらに鍛えたい方は、バスタオルの上に本などを置き、負荷をかけてもよいでしょう。

椅子とタオルさえあれば、ご家庭でも手軽にトライできますね。
座ったまま行うため下肢の関節に負荷がかからず、捻挫など下肢障害のリハビリにもよく用いられる方法です(*註)。

一見簡単そうですが、Mさん、意外に苦戦中。
実はこの運動、足趾だけでなく足裏全体でしっかりバスタオルをつかんでいないと、せっかく手繰り寄せたタオルが戻ってしまうのです。
さらに、左右の足の協調性を必要とするため、下腿、大腿部、骨盤周囲の筋群の連動が求められるのです。

Mさんは徐々にコツをつかみ、何とかゴールまで辿り着きました。
おめでとうビックリマーク

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アーチテーピングを行うと、足が立体構造を取り戻し、関節の角度や可動域が正常に近づくため、足の残存機能が向上します。
このため、テーピングした足でトレーニングを行うと、足部内在筋群や足部周囲筋郡の連動をより強く意識することができるのです。
これで今日からMさんも、彼の脚をつねり返すことができますね。
↑でも、これって良いコトなのかな…はてなマーク

*註 : かつては、この方法で扁平足や外反母趾が改善すると喧伝された時期もありました。しかし私が見聞した限りにおいては、タオルギャザーを短期間行っただけでは、アーチが高くなるなどの形態的変化は認められないようです。ただ、このトレーニングにより、足部に分布する固有受容器(=メカノレセプター : 説明は難しいのですが、ここでは身体深部にある感覚センサーと考えてください)が賦活され、足趾把握力や静的・動的バランス能力の向上が認められたとする臨床結果は、相当数報告されています。従って間接的には、アーチの沈下等の身体機能の低下に対し、一定の効果が期待できると考えてよいのではないかと考えています。

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