スポンサーサイト

--.--.--.--.--:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PhysicalとPhysics

2012.04.26.Thu.19:55
フィッティングやフットケアにお越しのお客さまから、何かいい本はありますか?というお尋ねをいただくことがあります。
世に良書はたくさんあり答えに迷うのですが、なかでもぜひお勧めしたいのが、以下の二冊です。

             一冊目はこちら。

$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ


 『やさしいダンスの解剖学』セリア・スパージャー著 大修館書店

初版はなんと、1949年。
この分野の本としてはすでに「古典的名著」といってよいと思いますが、内容はまったく古びることがなく、現在も通用するものばかりです。
主にバレエ指導者に向けて書かれた本なので、タイトルで「やさしい」とうたっている割にやさしくないのですが(^^¡)、じっくりと読み進めていけば、予備知識のない読者にもしっかりと伝わるように丁寧に書かれています。
骨格配列(アライメント)が乱れるとはどういうことか、どうやってチェックすればよいか、どのような方向で修正すべきか、等々…
これらはバレエだけでなく、フラメンコや他のダンス、スポーツなどとも共通するテーマです。
モノクロながら的確かつ判りやすい図版・写真も多数収録されており、これらは最近の医学論文にも引用されるほど、正確で適切なものです。
60年以上前に書かれたものであるにもかかわらず、残念ながら、本書の助言や警告がしっかりと受け止められていない光景は日常的に散見されます(もちろんバレエに限らず、他ジャンルの舞踊教育から学校教育における「体育」、競技スポーツに至るまで)。
とくに足や身体に何らかのトラブルをお持ちの方は、本書に登場する数々のトラブル例のなかに、ご自身が抱える問題と似たものを見出すことができ、改善や補正への示唆を得られるのではないかと思います。

           そして、二冊目はこちら。

$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ


 『やさしいダンスの物理学――ダンサーの動きは、なぜ美しいのか』
          ケネス・ローズ著 大修館書店


邦題は一冊目の本歌取の趣ですが、原題は「Physics and the Art of Dance―Understanding Movement」といい、物理学の視点から身体の動きを丁寧に説き明かした解説書です。
著者は、ダンスを愛してやまない物理学者。
芸術への最上級のリスペクトを払いつつ書かれた本書は、単なる科学的分析を超え、「物理学(Physics)」が文字通り「身体の(Physical)学」であり、身体芸術もまた物理現象であることを証す好著です。
優れた踊り手による身体操作法がいかに物理法則に則ったものであるか、その法則を知識としてではなく直感や経験知として身につけている踊り手たちがいかに素晴らしいか…著者の芸術や芸術家への感嘆と賞賛が、読む側にも熱く伝わってくるような文章です。

各章のトビラにある「小咄」もとてもユニーク。
たとえばある章の冒頭では、こんなストーリーが紹介されています。

「明日の舞台で、あなたの2回転のトゥール・ザンレール(垂直にジャンプして、空中で2回転する)に注目が集まることになっています。でもあなたはまだ1回転半しかできないのです。しかも、動きが雑に見えます。
 せめて準備動作だけでもきちんとして、回るときに慣性モーメントを小さくしようと、あなたは足を締めた、よい5番ポジション(右足のつま先が左足のかかと、右足のかかとが左足のつま先にそれぞれつくポジション)に保ちます。
 でも、他の人はそれほど5番ポジションに気をつけていないようです。実際、仲間のひとりが「少しごまかしなよ! そうすれば少なくとも2回転ぐらいならできるだろうよ」と言います。あなたは混乱してしまいますが、突然彼が何を言わんとするのかを理解します。そして、次に2回転のトゥールに挑戦したとき、あなたは2回転を超えて回り過ぎました! しかし今では、回転をコントロールすることまでできます。友人が分け与えてくれた秘密とは、何だったのでしょうか。」


章を読み終えるとこの答えが読者にも判る、というなかなか楽しい仕掛けで、興味深く読み進むことができます。
記述はバレエが中心ですが、何せテーマが物理学ですから、他のジャンルのダンスやスポーツなどにも当てはまることばかりです。

おそらく一冊目の「解剖学」より二冊目の「物理学」の方が読みやすく、一般受けしやすいかもしれません。
でも、とくにフラメンコを踊られる方には、できればぜひ 一冊目 → 二冊目 → 再び一冊目 …という順序でお読みいただけるといいなと思います。
なぜなら、一冊目の本が示すように、骨格配列(アライメント)をきちんと整えなければ、二冊目の本が紹介するような美しい動きを実現することは非常に難しいからです。
逆に、自分自身の身体をナチュラルに整えるだけで、物理法則がいかにあなたの身体を支え、芸術への扉を開いてくれるかも、二冊を読み終わるとストンと肚に落ちるのではないかと思います。

進む方向を見失いそうなとき、良書は羅針盤の役目を果たしてくれます。
うまくいかないと焦りながら長時間練習するより、ときには一息ついてページを繰ってみると、意外な発見があるかもしれません。

オススメですビックリマーク

宝石紫セノビージャ・ハポンの公式サイトはこちら
スポンサーサイト
コメント

管理者のみに表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。