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日本人は甲高幅広ってホント?

2011.06.27.Mon.00:20
靴の広告などでしばしば見かける「日本人の甲高幅広な足に合わせて…」といった宣伝文句。
でも、日本人って、本当に甲高幅広なのでしょうか?
実は、足の形や骨格には、永遠不変の「人種」的特性などと呼べるものはありません(*註1)。
骨格を形成する要因はいくつかありますが、とりわけ子どものころの環境や習慣はきわめて重要なポイント。
この時期にどのような「足づくり」をしたかによって、その後の運命が左右されるといっても過言ではありません。
言いかえれば、「日本人」の足の特徴は、環境や生活習慣などによって、時代とともにどんどん変化し続けているのです。

フィッティングやフットケアにご来店されるお客さまに、私はよく一枚の写真をお見せしています。
30年ほど前、とある雑誌に掲載された写真(*註2)で、当時世界最高齢(116歳)のギネス記録保持者だった泉重千代さんの足裏を撮影したもの。
こういう足の人が長生きするんだなあ…とナットクできる、みごとな「美足」です。

$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ


甲高幅広とは、この泉重千代さんのような、引き締まったたくましい足のことです。
一方、私が日々フィッティングで接するお客さまの多くは、男女を問わず、総じて甲が薄く骨格も華奢。
幅広に見える場合でも、もともと幅の狭かった足が開帳して幅が広がってしまったケースや、土踏まずが沈下した扁平足に疲労物質が蓄積してむくみ、甲が分厚く見えるケースが大半です。
こういう足を、私は「なんちゃって甲高幅広」と呼んでいます。
なんちゃって幅広の方が、幅広の靴を履き続けると、トラブルはさらに悪化していきます。
開帳してむくんだ足で緩い靴を履くのは、ゴムウエストのスカートを履いてダイエットをするようなもの、と言ってよいでしょう。

泉重千代さんは、薩摩藩(なんと江戸時代!)奄美群島徳之島生まれ。
青年期から亡くなる数年前まで、農作業に従事していたことが知られています。
泉さんの若かりし頃は、当然ながら舗装された道路などありませんでした。
裸足、またはそれに近い状態で、やわらかい土を踏みしめてたくさん歩き、遊び、働き、年齢を重ねられたのだと思います。
子どもの頃に足趾(ゆび)でしっかりと地面をつかんで歩くと、アキレス腱や足底腱膜が引っ張られ、足長(足のサイズ)や足趾長(足のゆびの長さ)は短くなる傾向があります。
そして、足裏のアーチを形成する筋肉が鍛えられることにより、足幅(足囲)は太くたくましく成長し、トラブル知らずの強い足ができあがるのです。

ひるがえって、現代の私たちはどうでしょうか?
最近では、学校のグラウンドですらアスファルト舗装のところも珍しくありません。
交通機関が発達した結果、歩く距離も時間も、著しく減少しています。
あえてスポーツジム通いや習い事をしなければ、運動をする機会のない人が、どんどん増えています。
このような足や足趾は、筋腱に牽引されることなく、するするとモヤシのように前に伸びていきます。
足長は大きくなりますが、華奢でひよわな足ができあがる、というわけです。

さらに、昨今街を歩く人々の姿を眺めていると、実に問題の多いフォームが目につきます。
華奢な足が、硬い地面の上を、合わない靴と間違ったフォームで歩く…トラブルが起きないはずはありません。

足の骨の成長は10代のうちに完了してしまうため、その後トレーニングに励んでも骨の長さや大きさ自体には変化はありません(ただし、骨密度には変化があります)。
現代人は、自分たちの足の特徴を知り、その上で弱点をカバーするような足の鍛え方とまもり方をしなくてはならないのですね。

成人した後でも鍛えられるのは、足裏のアーチや全身の姿勢を維持する筋力です(*註3)。
一方、鍛えることのできない靭帯や軟骨などは、言わば「限りある資産」。
寿命までに食いつぶしてしまわないよう、消耗・摩耗を防ぎ、まもってあげる工夫が必要です。


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*註1 足の骨格を決めるのは、先天的要因よりも後天的要因の方がはるかに大きいのです。また、獲得形質(=後天的に獲得した性質)が遺伝するかどうかをめぐっては現在でも一部に議論がありますが、現在の分子生物学的知見ないし臨床的知見においては、少なくとも足の骨格に関して「獲得形質の遺伝」は認められていません。

*註2 ARS NOVA銀座NOGUCHI 野口真三男氏よりご提供いただきました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

*註3 トレーニングの方法やフォーム、ペース配分などを誤ると、逆に身体を痛めつける結果になってしまうこともあるので、注意が必要です。どんな運動でも、違和感を感じたらただちに中断し、原因を突き止めることが重要です。
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