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タップとフラメンコ

2012.07.31.Tue.00:41
私の大好きなダンス映画のひとつ『Tap』。
ふと気がつけば、すでに20年以上前の作品になってしまったんですね。
主演のグレゴリー・ハインズも陰の主役のサミー・デイビス Jrも世を去って久しいですが、映画の中には彼らの「アイレ」(と思わず呼びたくなる)が充溢していて、いまも色あせることはありません。

映画は、ダンスを捨てた刑務所帰りの男が、かつてのダンスパートナーである恋人とヨリを戻し、再び踊り始めるまでを追った、言っちゃあ何ですけど超フツーなストーリーです。
設定も舞台も、特筆すべきことは何もありません。
尋常じゃないのは、随所に散りばめられたタップ、タップ、そしてまたタップ。
だって…オープニングからいきなりコレですから。



           Gregory Hines: Tap

あーもぉー、いつ見てもかっちょえぇなー…ビックリマーク

ところで…
これってフラメンコ?と思うくらい、共通点があるような気がしませんか?
実は、バイレフラメンコ・モデルノは、タップから一部のテクニックを借りています。
一説によればその起源は、1970年代初頭にイギリスでタップ技術を習得してスペインに持ち帰り、積極的にフラメンコに応用したラウルにまで遡ると言われます。
モデルノの身体技法には「ida y vuelta」とも呼べる側面があるのですね。
この時期を境に、サパテアードのテクニックは、強靭な脚力で地面を殴打する方法から、脚をぶら下げて関節を緩ませるような打ち方へと大きく転換を遂げました。

もちろんそれ以前から、このような身体技法を駆使していたアルティスタは少なくありません。
例えば、現代フラメンコの祖と呼ばれるマリオ・マジャや、いまや伝説的存在になってしまったアントニオ・ガデス、私がこよなく愛するマヌエル・ソレール、…
彼らは、自身の優れた身体感覚をよりどころとし、より豊かな表現、より深い音色、そしてより自然で無理のない動きを追い求めた結果として、彼ら自身のスタイルを創り上げていったのでしょう。
しかし、そうした技法をフラメンコ界全体が意図的に貪欲に取り入れ始めたのは、そう遠い昔のことではなかったのです。



Baile: Mario Maya, Cante: Antonio Cuevas, Toque: Paco Cortes y Angel Cortes

ちなみに…比較のためにグラン・アントニオの映像を探したのですが、YouTubeでは見つかりませんでした。意外!
VHSなら手許にあるのですが、ブログにアップする方法が判らないので割愛します。
代わりに(おっと失礼!)フローラ・アルバイシンの映像をアップします。
新旧のテクニックの違い、一度ゆっくり見比べてみてください。



Liviana-Farruca Baile: Flora Albaicin, Cante: El Combreño, Toque: Paco Regato

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そして最後に。
私論ではありますが、タップとフラメンコの一番の共通項は、「徹頭徹尾自分たちのためのものである」という点ではないかと思います。
いずれも王様や神様のために唄い踊り奏でるのではなく、そうせずにはいられない、それ自体が生活の一部である、そんな芸術です。
決して恵まれた社会階層に属しているとは言いがたい人々が、自分たちが生き抜くための必然として生み出したアルテには、虚飾を排した生そのものが凝縮しているような気がします。

そのことが非常によく伝わってくる名場面が、映画『Tap』の中にあります。
ふだんはカードゲームに興じ、葉巻をふかし、老いぼれた身体を椅子に沈めているようなおじいちゃんたちのタップ魂に火がつき、突然爆発的ドンッに踊り出すシーン。
これがもー、まさにフィエスタそのものなのです。
円陣を組み、一人ずつセンターに出て行って踊り、自分の得意技(これがまた、アングリと口があいちゃうほどスゴイ踊りなのです)を披露し、踊りを捨てた主人公をどんどん挑発します。
周囲はやんやと囃し立て、踊り手をどんどん乗せていき、さらには自分もどんどんその気になっていき、「次はオレだぞ」とセンターに踊り出る。
埃っぽい部屋に差し込む黄色い西日、古びたアップライトピアノが奏でる調べ。
粋で、楽しくて、カッコ良くて、切なくて、…私にとっては最高に「¡Olee!」なシーンなのです。
こちらもYouTubeでは中途半端な映像しか見つからず、残念ながら割愛。
ご関心のある方は、ぜひDVDで観てみてください。
超お勧めですドキドキ

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