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靴下は履く/履かない?

2012.07.18.Wed.13:50
フラメンコシューズを履くとき、靴下はどうしていますか?
試し履きの際、私はよくこんなふうにお客さまにお尋ねします。
意外と多いのが、裸足派。
滑りにくいし、気持ちいいし、楽チンだし、…というのが、その理由のようです。

フィッティングルームでは、試し履き用に使い捨ての薄手のストッキングをご用意しています。
これは商品保護の目的もありますが、実はより重要な意味があります。
ストッキングのようなツルツルした素材でも足が前滑りしないことは、フィットした靴を見きわめる上で大切なポイントなのです。
逆に言えば、ストッキングを履くと前に滑ってしまう場合、その靴は足に合っていないということになります。

靴下やタイツには、汗や運動による摩擦などが靴に与えるダメージを軽減し、靴を長持ちさせる効果もあります。
靴の中で足が前滑りするのは困りものですが、動きの多い部位などはある程度滑りをよくしておかないと関節可動域が制限されてしまい、ムリに動かそうとすると靴にも足にも余分な負担がかかります。
つまり、前滑りを防ぐ効果を果たしつつ動きやすい靴下がもっともふさわしいのです。
この点では、網タイツの右に出るものはありません。
長く採用されてきたコスチュームには、やはりちゃんと意味があるのですね。

また、靴内環境を清潔に保つ上でも、洗濯のできる靴下やタイツを身につけることは重要です。
とくに梅雨の時期~夏にかけては、白癬(水虫)などの感染症のリスクが高まる時期。
通気性と吸湿性がある靴下・タイツは、足を護るという観点からも大きな役割を果たしています。

さらに、もともとヨーロッパでは、革靴には靴下やタイツなどを合わせることが、一種の「マナー」として定着しています。
理由は、革を鞣す(=腐敗しやすい動物の「皮」を保存のきく「革」へと処理する工程のこと)際に用いられる薬剤にあります。
靴のアッパー(外側の革)やライニング(内側の革)の多くには、塩基性硫酸クロムで鞣した革が使用されています。
かつてはこの鞣し剤に、毒性の非常に強い六価クロムが使われていました。
このため、革に残留したクロムが汗などによって溶け出し、皮膚粘膜に強い刺激を与え、潰瘍等を引き起こす原因になっていたのです。
革靴に靴下を合わせるというマナーが定着していった背景には、健康被害を防ぐという実際的な目的もありました。
イタリアの伊達男が「裸足で靴を履く」というイメージは、こうしたマナーにあえて背くからこそ「チョイ悪」な振る舞いの象徴になるわけですね。

現在では、クロム鞣しの際に用いられるのは「三価クロム」を原料とする粉末クロムです。
三価クロムの毒性評価には諸説あり、ドイツなど主に北ヨーロッパ諸国では危険性を重視する傾向が強いようです。
また、英国などでは、靴下を履かずに革靴を履くことを「怠惰」「野蛮」と嫌う傾向がみられます。
弊社のお客さまの中にも、マヌエラ・カラスコのクルシージョを受けた際、裸足で靴を履いていたら「何でもいいから何か履きなさい!」と叱られた、というエピソードを披露してくださった方がおられました。

日本で靴を履く習慣が一般に定着したのは第二次世界大戦以降ですが、ヨーロッパには長い長い革靴文化の歴史があります。
最近では裸足で靴を履く若いスペイン人アルティスタもいますし、何が何でもダメ!と言うつもりはありませんが、やはりかの地の文化を知り、不快感を与えないマナーを知っておくことは必要だな、と思います。


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