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外反母趾でお悩みの方へ−1/2

2011.06.05.Sun.16:30
*以下、テキストが紫色の部分は医学用語の説明です。不要な方は読み飛ばしてください。
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外反母趾(*1)で悩んでいます、とおっしゃるお客さまから、よくご連絡やご相談をいただきます。
かくいう私自身も、物心ついたころから親譲りの外反母趾でした。
5歳のころにはすでに、足趾(あしゆび)のつけ根に立派なバニオン(*2)ができていました。
思春期、街で見かけるおしゃれな靴たち。
自分には縁のないものと最初からあきらめ、スニーカーやローヒールをガマンしながら履き続けました。
その結果、外反母趾はさらに悪化し、20代最後の年に外反母趾矯正手術を受けることになりました。
手術後、主治医から紹介されたドイツ人マイスターに、靴をあつらえてもらいました。
一目見ただけでテンションががっくーんと下がるくらい、可愛くない靴でした。
数年間その靴を履き続け、やがて外反母趾は再発しました。
痛みを覚え受診した私に、主治医は二度目の手術を勧めたのです。

何かがおかしい…と思いました。
いままでオシャレをガマンして、ダサイ靴を履き続けてきたのは無駄だったの?
悩んだ末、ひとつの決断をしました。
手術はやめよう。
トラブルには原因があるはずだから、それをちゃんとつきとめよう。
自分の健康は自分で守らなくちゃ。

まず、独学で整形外科学・基礎解剖学などの勉強をはじめました。
趣味でもあり仕事(代教指導講師をしていました)でもあったフラメンコ舞踊を通じて、基礎解剖学的な知見を得られたことも、全身の機能や構造を理解するのに役立ちました。
独学に限界を感じた30代後半、思いきって仕事を整理し、まずフスフレーゲ(*3)のプロフェッショナルライセンスを取得、ついでドイツ人マイスターから整形靴調整・製作技術(*4)を学ぶ全日制の学校に一年間通いました。
短期研修でドイツ・ハノーファーのマイスター学校にも行き、実技研修とテストを受けました。
卒業後は、整形靴販売や靴修理の仕事をしながら、複数の職人の工房で注文靴や手縫い靴の技術を学びました(一部は現在も継続中です)。
また、半世紀近いキャリアと素晴らしい技術を持つ専門店の店主に弟子入りを志願し、フィッティングの手ほどきも受けました。
いずれの場所でも、真剣に学びたいという意欲を感じ取ると、本当に多くの方が懐を広げてご自身の持てるものを開陳してくださいました。
このことは、どんなに感謝しても足りないと思っています。

しかし、少しずつ知識や経験が増えるたび、初めから知っていたら手術なんかしなくてもよかったのに、と思うようになりました。
たいへん不遜な言い方になりますが、それまでシューフィッターやマイスターに選んでいただいた靴は、どれもまったく足に合っていないばかりか、むしろ足や身体に悪影響を及ぼしていたことがよく判りました。
そして、なによりも深く痛感したのは、

①足にフィットした靴を履くこと
②きちんとした姿勢・所作(座る・立つ・歩く・横たわる・物を持つなど)と生活習慣(食べる・鍛える・休ませる・寛ぐ・眠る)を身につけること
③必要なときに必要なケアをすること

…などの方法を通じて、自分の身体や健康は自分で創り上げることができる、ということでした。

誤解がないように申し添えると、手術の執刀医は日本屈指の名医で、手術そのものは成功でした。
しかし、そもそも外科手術というのは、「結果」にメスを入れて改めることであり、「原因」にメスを入れるものではまったくないのです。
「原因」を変えない限り、再発するのは当然のことでした。

では、外反母趾の「原因」とは、いったい何なのでしょうか?

(つづく)

(*1)
Hallux Valgus:外反母趾は、一般には足の親ゆび(母趾または第一趾といいます)が内側に「く」の字状に曲がる症状と理解されています。実際には、母趾の①外転(水平面)、②回内(前頭面)、③底屈(矢状面)という3Dの変形を生じるのですが、上から足を見下ろすと外反(外転)だけが目につくため、この名がついたのでしょう。また、外反母趾が進行する前にかならず起こる現象(=必発症状)に、足の横アーチが低下する「開張足(かいちょうそく)」というトラブルがあります(土踏まずの低下も同時に起こるケースが多いのですが、必発するとは言えません)。アーチ低下の要因はたくさんありケースバイケースなので、個別具体的な検証が必要となります。私の場合は、先天的素因(女性ホルモン等の遺伝により靭帯が極端に柔らかい)と環境要因(幼少期からの靴選びの誤り、雪国・平地育ちのため足趾の運動負荷が不足していたこと)が決定的に大きかったと思われます。

(*2)
Bunion:第一中足骨骨頭腱膜瘤、第一中足骨骨頭滑液包炎などともいい、足の親ゆびのつけ根の関節を保護しているクッション(滑液包)が炎症をおこして腫れた状態。外反母趾の初期~中期にみられ、皮膚の上からも赤く腫れ上がっているのがわかります。

(*3)
Fusspflege:ドイツ語で足の手入れ、フットケアのこと。18世紀後半にヨーロッパ貴族の足の手入れのために生まれた技術が発端ですが、現在ではおなじみのリフレクソロジーや角質ケアから巻爪・O脚・外反母趾等の補正、テーピング、タラソテラピー、靴調整、歩容分析・カウンセリング…等々幅広いジャンルをカバーしています。

(*4)
Orthopaedie-shoetechnique:整形靴技術(オートペディシューテクニカー)もまた、実に多くのジャンルに細分化されています。私が通った学校では、①靴に入れる分厚い中敷(アインラーゲン)を作る、②既成靴を足のさまざまなトラブルに合わせて調整する(インソール・アウトソール調整)、③足の計測・採型をして木型を作り、それを元に靴を作る、④脚長差(左右の足の長さが違う)のある人のための靴を作る、などの実技がカリキュラムとして用意されていました。ただ、このブログで少しずつご紹介することになると思いますが、私自身の現在の考え方は、必ずしもオートペディと一致してはいません。全否定するつもりはありませんが、場合によってはマイナス面も少なからずあることは、もっと知られていいと思っています。
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