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靴を履く姿勢

2011.08.30.Tue.23:09
$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ

       Edgar Degas「靴を履く踊り子」

フィッティングルームでは、靴の試し履きの際に、まず全身を「ニュートラル・ポジション」で整える立ち方、座り方をご体験いただきます。
これは、「必要最低限の筋力で姿勢を保つ」「不要な力みを取り除き、リラックスする」ということです。
筋肉が過度に緊張し骨格が不自然に歪んだ状態で靴を履くことは、その姿勢を固定化することに繋がってしまうからです。

最初に「まっすぐに立ってください」と申し上げると、ほとんどの方が頭と胸をあげ、背筋をぐっと前方に押し出すような立ち方をされます。
ここから、私の「セクハラタイム」がスタートカチンコ
肩、お腹、背中、お尻、太腿…を触って姿勢チェック。
女性同士ならではの特権です。ははは…

多く見られるのは、
 ・背筋と腹筋の使い方のアンバランス
 ・頸椎や肩甲骨付近の不自然な力み
 ・骨盤周辺の弛み
 ・内反膝
 ・踵骨外反
…そして、これらの複合パターンです。
以前「膝痛」の回でも触れましたが、骨格の歪みは、その代償として別の歪みを引き起こします。
この負の連鎖により、全身のバランスを崩してしまうのです。
(ただし歪み方は千差万別で、それぞれに「個性」があります。)

次に、まず必要な部位に力を込め、呼吸に合わせて筋肉の不要な緊張をほぐしていき「ニュートラル・ポジション」をキープします。
体幹にはエネルギーがみなぎり末梢部は脱力している、という状態です。
やはり多くの方が、この姿勢に違和感をおぼえるようです。
「なんか…すごーく猫背になっている気がするんですけどー…」
でも、全身を鏡に映してみると、ぜんぜん猫背ではありません。
脊柱のS字カーブに不自然な歪みやこわばりがなく、骨格標本のように美しい(←という感想は、私だけかな?)ラインが生まれます。
「あれ? もっとだらしない立ち方になってるかと思ったのに」。
こうして目で確認することは、脳のプログラムを書き換える、非常に重要なポイントです。
お客さまの中には、翌日のレッスンで早速先生に姿勢を褒められた、腰痛が軽くなった、…等々、嬉しいご報告をくださる方もいらっしゃいます。

さらに、この姿勢を保ったまま、椅子に腰掛けます。
この方法だと、座っていても、上体は立っているときと同じポジションを保つことができます。
骨盤を後傾させお腹の力を抜いて座る癖のある方や、腰を反らせて上体を整えようとする方は、はじめのうちは戸惑うかもしれません。
でも、慣れてくるとご自身でも座位の安定が実感でき、身体への負担が格段に軽くなります。
こうして股関節、膝関節、足首(距腿関節・距骨下関節)、爪先(MP関節)をまっすぐに整え、さらにアーチをつぶさないような方法で靴に足を入れます。

文章で読むと「何のこっちゃ?」という方もおられるかもしれませんね。
でも、実際にこの方法で履いていただくと、たとえ同じ靴でもフィット感がまったく違います。
身体の歪みや捻れを取り除き、靴にまっすぐに靴に足を入れる―—
踊り手ならばなおさら、靴を履く際の姿勢にも気を配りたいものですね。

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       Jean Jansem「舞踏靴を履く踊り子」

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靴のデザインあれこれ 2/2

2011.08.29.Mon.01:21
前回に引き続き、靴のデザインのご紹介です。
今回は、②ストラップ靴タイプ、③ゴアブーツタイプ、についてご案内いたします。

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②ストラップ靴タイプ
セノビージャのシューズでは、「マヌエラ」「メルセデス」「クルサド」「サンダリア」がこのカテゴリーに当てはまります。
ストラップの数や形状により、合う足のタイプや履き心地が異なります。

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       宝石紫ダブルストラップのマヌエラ↓

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二本のストラップが、前に滑りやすい足をしっかりと支えてくれます。
靴の中で足が前滑りしやすい華奢な細足さんにも好評です。
足の甲がオープンなので、エレガントな衣裳にもしっくりと馴染み、
もちろんパンツルックでも違和感なくお履きいただける、万能モデル。
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       宝石紫シングルストラップのメルセデス↓

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フラメンコシューズと言えば、まず思い浮かぶ王道デザイン。
マヌエラやメルセデスのような横向きストラップは、クロス・T字のストラップに比べ、前滑りを防ぐ効果が高いといえます。
ただ、メルセデスはどちらかといえば足幅が均一の足に向いており、華奢な足や、踵が小さく前方が広がっている足の場合は履き口が笑いやすい(=広がりやすい)ので注意が必要です。

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       宝石紫クロスストラップのクルサド↓

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交差したストラップが、足の甲を美しく見せてくれます。
メルセデス以上に、足幅が均一で踵の骨が大きめの足に向くモデルです。
女性らしいフォルムを求める方には、とても人気があります。

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       宝石紫Tストラップのサンダリア↓

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華奢な足には履きこなすのが難しい、上級者向けモデル。
古典的な優雅さを備えたサンダリアに憧れる方はとても多いのですが、Tストラップには足を止める効果はほとんどなく、いわばアクセサリーのようなもの。
パンプスのような感覚で履きこなせる、鍛え上げた筋肉質の足向きです。

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③ゴアブーツタイプ
セノビージャでは「ボト」というモデル名です。

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    宝石ブルー男性用フラメンコシューズの代名詞=「ボト」↓

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足首まですっぽりと覆われるボトは、安心感のある履き心地です。
靴下などでサイズの微調整ができるので、内羽根靴のチャピンにくらべ、足のタイプを選びません。
黒の表革が定番ですが、カラーや素材感で遊ぶとバリエーションがぐんと広がります。
画像のボトはパテントレザー(エナメル)で作られたもの。
耐久性や履き心地では表革やスエードに劣りますが、スペインのアルティスタの一部には根強い人気があります。

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以上のように、靴にはそれぞれ個性や特徴があり、同じ足でもモデルが変わるとサイズが変わる場合もあります。
ご自身の足のタイプを知り、合う靴のタイプを知ることは、バイレの第一歩といっても過言ではないでしょう。
「運命の一足」との出逢いをお手伝いできたら、フィッターとしてこれに勝る喜びはありません。
靴選びに迷われたら、どうぞお気軽にご相談くださいね。

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靴のデザインあれこれ 1/2

2011.08.28.Sun.17:52
前回アップした記事の続編を書くつもりで、誤って元記事まで削除してしまいました…。
気を取り直してもう一度!
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靴のデザイン選びは、オーダーシューズの醍醐味のひとつ。
見た目の個性の違いはもちろん、履き心地や向き不向きもデザインによって異なります。
今回から二回に分けて、それぞれのデザインの特徴と、各デザインに合う足のタイプについてご説明いたします。

フラメンコシューズには、大きく分けて
  ①紐靴タイプ
  ②ストラップ靴タイプ
  ③ゴアブーツタイプ

があります。

今回はまず、①紐靴タイプについてご案内いたします。
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①紐物タイプ
セノビージャでは、「カルメン」と「チャピン」がこのカテゴリーにあてはまります。

      宝石赤こちらが一番人気のカルメン↓

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中足部をしっかりとホールドするため、安心感のある履き心地。
紐で無段階の調節ができ、もっとも多くの足タイプに合うモデルです。
甲を覆う面積が大きいため、靴の中に調整を施すのもカンタン。
革やタコンの選び方により、表情がガラッと変わります。
上の画像のように、濃色+クラシコのタコンならシャープな雰囲気に。
下のように起毛のレオパード柄+カレーテのタコンの組み合わせなら、
まるで冬のパーティーシューズみたいにキュートです。

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      宝石赤こちらは内羽根靴のチャピン↓

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セノビージャ唯一のユニセックスモデル。
比較的甲高で骨格のしっかりした足に向いています。
抑制のきいたデザインは、マニッシュな衣裳にもぴったり。
靴底の仕様を変え、外履き用としてご購入される方も少なくありません。
オーソドックスなデザインですが、画像のように黒×白のコンビ革で仕立てるとモダンな味わいが生まれます。

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      宝石赤こちらは男性用のチャピン↓

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バイレ用としては、中級以上の方向きです。
ボト(ブーツ)ではちょっと重たすぎる衣裳やヌメロのときに、
足もとを軽快に彩ってくれます。
女性用と同じく、外履き用としてもお勧め。
その際には、下の画像のように低くて接地面積の広いタコンを選ばれるとよいでしょう。
靴底の革を薄くフレキシブルなものに変更することもでき、足裏の繊細な感覚を求められるドラムやパーカッション等の演奏にも好適です。

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というわけで、一口に紐靴といっても、みなそれぞれ個性派揃い。
フィッティングの際には、もし意中のデザインがあったとしても、
複数のモデルを「味見」してみることをお勧めします。
ひょっとすると、新しい発見があるかもしれません音譜

セノビージャ・ハポン公式サイトはこちら

温泉+フラメンコ=アンチエイジング?

2011.08.17.Wed.23:51
先日ご来店いただいたお客さまは、温泉併設クリニックの若き院長先生。
アンチエイジング(抗加齢)医学を通して、生活の質的向上をはかるプロフェッショナルです。
また、治療のかたわらフラメンコ教室を開催・指導されるなど、領域横断的な活動も精力的に続けておられます。

弊社でのフィッティングについて、ご自身のブログで紹介してくださいましたので、よろしければぜひご一読ください。

サンダル自分にあった靴
 http://ameblo.jp/therme/entry-10988835735.html

アンチエイジングというと、一般的には美容情報ばかりが先行するきらいがありますが、基本線は「ハッピーに年齢を重ね、人生を存分に楽しむこと」に尽きます。
健康を保つこと、自分の身体を自分でコントロールすることは、精神的自由を担保する大きな要素のひとつといえるでしょう。
思い返せば、外科的手法ばかりが重視されがちな既存の医療のあり方への不満から、この道に足を踏み入れた私ですが、医療分野の内側からこうしたユニークな試みや実践がどんどん登場していることは嬉しく、また頼もしい限りです。

それにしても…お客さまがお医者さんだと、とにかく話がめちゃくちゃ早い。
フラメンコ業界広しといえども、「距骨下関節」「梨状筋」「受動的伸展」「筋膜の弛み」…といった言葉がするすると通じるお客さまは、そう多くはないでしょう。
こちらからの説明は、ふだんの半分以下の時間で終わりました。
が、そこで終わらないのが、健康オタク(失礼!)同士。
クリニックやお教室での実践についてさまざまなお話を伺いつつ、「医療」とその他の分野が協働できる環境を整え、楽しく人生を歩むという目標に近づいていけたらステキだな、と思いました。
例えるなら、異なるルートを辿って同じ山の頂を目指す登山者のように…

フラメンコでいい汗をかいて、温泉でゆったりくつろぐ…それだけでも、すごーく長生きしそうですね。
前橋温泉クリニック」のサイトも、ぜひ一度覗いてみてください。

ネコレクション

2011.08.15.Mon.18:42
オーダーシューズを受け取りにお越しのお客さまから、バリ旅行のお土産をいただいてしまいました。
ちょっととぼけた表情が、すごくかわいいです。

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そして、後ろアタマもかわいい。

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いつの頃からか我が家に集結しはじめた、世界各地のチビネコたち。
チェコ、インドネシア、バリ、ベトナム、日本、バングラデシュ、エジプト…

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それぞれの文化を反映し、みな個性的な風貌の持ち主。
見ていて飽きませんドキドキ

8月の休業日のお知らせ

2011.08.13.Sat.01:08
弊社フィッティングルームは、8月中は下記日程を除き、営業いたしております。
ただし、スタッフ1名で業務を行っていますので、予約制とさせていただいております。
ご来店前には、メールまたはお電話にて、ご予約をお願いいたします。

宝石ブルー休業日
 8月21日(日)~23日(火)

宝石ブルーご来店のご予約
セノビージャ・ハポン公式サイトのオーダーフォームをご利用ください。

よろしくお願い申し上げます。

お茶の間フィッティング

2011.08.12.Fri.00:47
セノビージャ・ハポン公式サイトでもご案内している通り、弊社のフィッティングルームは個人住宅の一角にあります。
より正確には、私の家のリビングルームにお客さまをお迎えしています。

初めてのお客さまは、まず玄関でちょっとびっくりされます。
あまりにも地味~な普通の一般住宅なので。

次に、リビングのドアを開けて、もう一度びっくりされます。
およそリビングという語感にはふさわしくないものが並んでいるので。
たとえばこんな感じ。

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その隣には、革漉き機とポストミシンが並びます。

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そして、きわめつけがこれ。
フィニッシャーと呼ばれる修理用グラインダーです。

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さらに、反対側の壁際にはここには写っていない修理用ミシン(八方ミシン)がもう一台あり、隣の部屋にはフットケア用のエステベッドがどーんと幅をきかせています。

実はフィッティングルームを始める前、ここは私個人の「工房」でした。
靴学校を卒業した後、お金を貯めては少しずつミシンや工具を買い足していきました。
その結果、入居当初目指していたアンティークなリビングは、次第にインダストリアルなテイストに浸食され、遊びにくる友人たちにも「また増殖してるね~」「いったい何めざしてんの?」と呆れられることしばしば。
ついに靴のショーケースとフィニッシャーがやってきたとき、友人たちは呆れるのを通りこしてゲラゲラ笑い出し、「昼間は靴屋さんやって、夜は靴を眺めながらお酒飲める店とかにすれば?」「いいじゃん、新しいよ」などと言い出す始末。
だめだめ、そんな店、君たちしか来ないじゃん…ビックリマーク

と思ったら、先日はお客さまからも、「カフェ併設のフィッティングルームにしたらよくないですか?」と言われてしまいました。←狭いので一組しか入れませんが…あせる
べつのお客さまは、「靴の修理が終わるまで待ちたいんですが、そこのコンビニでお弁当買ってきて食べてていいですか?」。←も、もちろん、こんなところでよければ全然OKですが…汗

というわけで、ワタシ的にはかなり努力しているつもりなのですが、どうもお茶の間的空気感がほわんと漂うらしく、皆さま大変くつろいでゆかれます。
そのこと自体は、もちろんとってもうれしいのですが、
狙ってた路線は、もうちょっとお洒落な店、だった、はず、なんだけど、なー…
ココロの片隅で、なぜか残念な気もする今日このごろです。

モライート ――乾いた風

2011.08.10.Wed.22:10
はじめてモライートのギターを聴いたのは、いまから20年前。
日本フラメンコ協会(ANIF)主催「フラメンコ・フェスティバル(第二回)」のゲストとして、エル・トルタとともに来日したときのことです。

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バイレを習いはじめて間もなかった当時の私は、カンタオールといえばカマロン、ギタリスタといえばパコくらいしか知りませんでした。
自分が習っているセビジャーナスやブレリアが、どう考えてもスペインのアルティスタのビデオ(当時まだDVDはありませんでした)と同じジャンルの踊りとは思えず、これが私のやりたかったものなんだろうか…と素朴な疑問を抱いていた折でもありました。
個人的にも、大学卒業後、最初に就職した会社をある種の挫折感とともに退社し、次の仕事を探しながらふらふらと彷徨っていた時期。
すべてが、不確かで頼りなく感じられる日々だったように思います。

いろんな踊り手さんが出演するから勉強になるよ、と友人に誘われて、会場に足を運んだあの日。
いまプログラムを繰ると、蒼々たるお名前がズラリとならんでいます。
でも、自分がやや情緒不安定だったせいか、それともフラメンコの知識自体がまったく不足していたせいか、いまひとつ舞台に集中できないまま、第一部が終わりました。
休憩を挟んで、ゲストの登場。
突然、エル・トルタの、空気を切り裂いて二階席奥まで届く地鳴りのような咆哮。
その放埒なエネルギーを骨太に支えるモライートのギターは、虚飾も外連味も排した「嘘」のない音でありながら、軽妙さ、柔らかさ、そして時にはモダンな味わいも隠し持っていて、一言でいうなら「衝撃」でした。

これは、はじめて聴く声だ、はじめて味わう音だ…。

ゲストのステージが終わり、再びの休憩。
私は、椅子から立ち上がることができませんでした。
隣の友人と喋ることもできませんでした。
立ち上がったら、喋ったら、いま身体の中に入ってきたものが出ていってしまう。
日常の空気の中に散らばって、溶けていってしまう。
そうしたら、もう二度と捕まえられない。
この感じを、できることなら家まで持って帰りたい。

この夜私が出逢った音楽に、「Jerez」という地名が抜きがたく染み付いていることを知ったのは、それから少したってからのことでした。

乾いた土の匂いのする音。
センチメンタルな気分を一掃する、埃まじりの風のような音。
心の湿度を下げ、体温を上げてくれる音。
モライートのギターは、私にとって、今日にいたるまでそういうものであり続けてきました。

Moraíto(Chico)- Manuel Moreno Junquera
1956年9月13日 ヘレス・デ・ラ・フロンテーラのサンティアゴ街で生まれる。
2011年8月10日 55歳の若さで逝く。

ご冥福を祈ります、なんてまだ言えない、言いたくない。
乾いた風にのって、いつでも戻ってきてください、と祈る夜です。

膝痛でお悩みの方へ

2011.08.07.Sun.18:20
*以下、テキストが紫色の部分は詳細説明です。不要な方は読み飛ばしてください。
............................................................................................................

フラメンコを踊る方のなかには、膝痛のある方が少なくありません。
あれだけ身体を酷使するんだから、そりゃー膝くらい傷めるでしょ?というわけで、違和感程度ならケアなどせず放置、という方が、これまた少なくありません。
でも、くどいようですが、痛みや違和感は身体からのメッセージ。
「何とかして~」「原因を突き止めて改善して~」と、身体は一生懸命訴えているのです。

ほかのトラブルと同様に、膝痛の原因も非常に多岐にわたります。
このため一概に決めつけることはできませんが、膝の痛みを抱えつつ踊っておられる方には、内反膝(いわゆるO脚)という現象がしばしば見られます(註1)。

膝関節のねじれは、先天性のものや事故・疾病等によるものをのぞけば、多くは日常の姿勢や動作・生活習慣に起因しています。
とりわけ日本では、女性が膝を開くことに対してマナー上厳しい視線が向けられるという文化的な背景もあり、両膝を閉じることが礼儀正しい姿勢とされています。
このため、多くの方が膝関節だけで局所的に両膝を閉じるような姿勢をとってしまい、これが関節のねじれにつながっています(註2)。
また、正座という欧米にはない生活習慣も、内反膝を助長する可能性があります。

加えて、足のアーチの乱れにより土台が不安定な状態では、その上の構造物である膝や腰、肩などの関節が、何とかバランスを保とうとして歪みを生じます(これを代償行為といいます)。
フィッティングルームにご来店いただくお客さまにこのことを説明する時、私はよく「だるま落とし」の話をします。

$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ-だるま落とし


積み木がまっすぐに積まれていれば安定しますが、左図のようにひとつの積み木のバランスが崩れると、倒れないためには別の積み木を反対側にずらさなければなりません。
このように骨格のゆがみは、一カ所見つかればそのかげに複数のトラブルがひそんでいることが多いのです。
そして、見えないトラブルの方が「原因」で、目に見えるトラブルは「結果」に過ぎないケースもしばしば見られます。

一見、上記のような骨格配列(アライメント)不良が目立たない場合でも、誤ったフォームや動作によって局所的に負担がかかると、小さなゆがみが大きなトラブルを引き起こします。

違和感や痛みは、放置すると大きな障害につながることもあります。
「変形性膝関節症」は、中高年以降の、とくに女性に多いトラブルですが、フラメンコを踊る方の中には、若い世代にもその予備軍とおぼしき方が散見されます。
立ったり歩いたりといった日常動作以上に運動強度の大きいフラメンコ。
長く続けるためには、ご自身の身体のコンディションをしっかりと把握し、必要な措置を講じることが不可欠です。

フィッティングは、単なる靴選びではなく、ご自身の生活習慣や癖と向き合い「原因」を見つけ出す作業でもあります。
また、より積極的にフットケアカウンセリングなどを利用し、日常生活の改善やエクササイズ、テーピングケアなどで、アライメントの補正を目指すことも可能です。

痛いってほどじゃないけど…
いつも痛いってワケじゃないけど…
という方も、大きなトラブルを引き起こす前に、一度ご相談いただければ嬉しいです。


セノビージャ・ハポン公式サイトはこちら

註1 : 典型的な内反膝は、股関節外転+下腿内反+踵骨内反を伴うといわれますが、とくに女性の場合は逆のパターンも多く見られます。すなわち、股関節内転++下腿外旋+踵骨外反(過回内)+前足部過回外のパターンです。この場合、シンプルなO脚よりさらに捻れが加わった、いわゆる「XO脚」になっているケースが多いです。一見X脚(外反膝)のように見える場合でも、エクササイズ等で筋緊張を緩め姿勢をニュートラルポジションに戻すと、O脚になっていることがわかります。
なお、O脚補正をうたうインソールなどの「外側ウェッジ」は、こうしたアライメント不良をきちんと観察・分析せずに利用するため、大きな危険を伴います。二次性の変形性膝関節症(OA=Osteoarthritis)以外のケースで、しかも専門家の判断なしに外側ウェッジを用いることは、トラブルを悪化させる要因となりますので、私自身は決してお勧めいたしません。


註2 : 膝をつけたまま座っていて、気を抜くと膝頭が離れてしまうお客さまに、楽に美しく座る方法をお教えすると、多くの方が「さっそく今日からやってみます」と応えてくださいます。
体幹の姿勢維持筋群を使うことに慣れないうちは、以前の悪い癖が出やすいと思いますが、慣れてしまえばむしろ楽になります。
この座り方を応用すると、たとえばクアドロでの座り姿も美しくなりますし、腰かけてのサパテアードも格段に打ちやすくなります。

ナチュラルメイクの革/厚化粧の革

2011.08.05.Fri.18:42
革の手入れならこの人に聞け!と言われる名人が、浅草にいます。
お名前は、安富好雄さん。
シューケア製品を扱う輸入商社を定年退職された後、「彩革の匠(しょう)」というお店を構え、ご自身の経験を活かした革製品のメンテナンス業務、またその知識や技術の普及に努めておられます。
「革は水に濡らしてはいけない」という従来の常識をくつがえし、「革も水を欲しがっている」ことを説得力ある論理と確かな技術で証明する、いわば革の伝道師。
テレビや雑誌などで、靴やバッグを手に解説する安富さんの姿をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この安富さん、実は修理職人たちの救世主でもあります。
たとえば高価なブランド品を修理していて、誤って革に疵(きず)をつけてしまったとき。
革の疵隠しは、多くの場合、疵補修をした後、その跡をごまかすために全体をリカラー(染め直し)したりします。このため、本来の素材感が失われたり、色合いが微妙に変わってしまうことも。
ところが安富さんは、魔法のようなテクニックで、全体の風合いは元のままに、疵を「なかったこと」にできるのだそうです。
以前安富さんに革疵の修復を依頼した知人は、「目を凝らして見ても、疵がどこにあったか全然わからないんだよね」と話してくれました。
ちなみにこの革物修理職人氏も、相当のキャリアと腕前の持ち主。
彼が見破れなければ、おそらく大抵の人は、言われてもまったく気づかないでしょう。

靴学校に通っていたころ、外部講師を務めておられた安富さんの講義を何度か受けたことのある私は、セノビージャ・ハポンを立ち上げたご報告とご挨拶をかねて「彩革の匠」を訪ねました。
わずか数回の講義、しかもこちらは大人数の受講生の一人であったにもかかわらず、安富さんは憶えていてくださり、お忙しいなか時間を割いてくださいました。

持参した靴を見せると、開口一番「お、いい革だなあ…こういう革は最近なかなかないんですよ。厚化粧の革ばかり増えちゃってね」と安富さん。
セノビージャの靴に使用している革(表革)は、セミアニリン仕上げのボックスカーフ。
仔牛革の銀面(真皮層の表面)の自然な風合いを活かし、染料と顔料を組み合わせて仕上げられています。
一方、安富さんのおっしゃる「厚化粧の革」とは、疵や色ムラをかくすために、顔料だけで仕上げられた革のこと。こうした革は、新品のときにはフラットな均一感がありますが、透明感に乏しく、安富メソッドのキモである「水」との相性がすこぶる悪いのです。
最近では、名だたる高級ブランド靴でも、顔料仕上げの革を使ったものがどんどん増えています。
このような革の修復依頼がくると、まず革にベットリ貼り付いた顔料をはがすのが一苦労なのだとか。
とりあえずぱっと見が美しければいい、メンテナンスは二の次、という昨今の風潮を、安富さんはしきりに嘆いておられました。

「水が染み込む革が、良い革、自然な革なんですよ」が口癖の安富さん。
セノビージャの靴を手にとり、「こういう革を見ると安心しますね。これなら、自信を持ってメンテナンスできますよ。いつでも相談に来てください」と、力強いエールを贈ってくださいました。

セノビージャ・ハポンが販売する靴には、安富さん仕込みの靴のお手入れ方法を書いた「取説」が一足ずつに添付されています。
基本はまず汚れを落とし、水分を補うこと。栄養を入れるのは、その後です。
ただしリキッドタイプ(←これが顔料系の代表格です)やミンクオイル(これはワークブーツなどのオイルドレザー用、靴が型崩れを起こします)は絶対NG。

私も、忙しいときほど無性に靴メンテナンスがしたくなります。
靴を磨いていると無心になり、綺麗になった靴を見ると、気分もウキウキしてきます。
自分のスキンケアは、ほったらかしですが…

foto : 安富マジックで磨いていただいたカルメン。「ちょっとやりすぎちゃったかな。こういう靴は光らせすぎない方がいいかも…」と言いつつ、ピッカピカに仕上げていただきました。でも、安っぽい光沢ではなく、革の内側からぱあっと明るくなったよう。暗い場所でも照明映えしそうです。

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