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日本人は甲高幅広ってホント?

2011.06.27.Mon.00:20
靴の広告などでしばしば見かける「日本人の甲高幅広な足に合わせて…」といった宣伝文句。
でも、日本人って、本当に甲高幅広なのでしょうか?
実は、足の形や骨格には、永遠不変の「人種」的特性などと呼べるものはありません(*註1)。
骨格を形成する要因はいくつかありますが、とりわけ子どものころの環境や習慣はきわめて重要なポイント。
この時期にどのような「足づくり」をしたかによって、その後の運命が左右されるといっても過言ではありません。
言いかえれば、「日本人」の足の特徴は、環境や生活習慣などによって、時代とともにどんどん変化し続けているのです。

フィッティングやフットケアにご来店されるお客さまに、私はよく一枚の写真をお見せしています。
30年ほど前、とある雑誌に掲載された写真(*註2)で、当時世界最高齢(116歳)のギネス記録保持者だった泉重千代さんの足裏を撮影したもの。
こういう足の人が長生きするんだなあ…とナットクできる、みごとな「美足」です。

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甲高幅広とは、この泉重千代さんのような、引き締まったたくましい足のことです。
一方、私が日々フィッティングで接するお客さまの多くは、男女を問わず、総じて甲が薄く骨格も華奢。
幅広に見える場合でも、もともと幅の狭かった足が開帳して幅が広がってしまったケースや、土踏まずが沈下した扁平足に疲労物質が蓄積してむくみ、甲が分厚く見えるケースが大半です。
こういう足を、私は「なんちゃって甲高幅広」と呼んでいます。
なんちゃって幅広の方が、幅広の靴を履き続けると、トラブルはさらに悪化していきます。
開帳してむくんだ足で緩い靴を履くのは、ゴムウエストのスカートを履いてダイエットをするようなもの、と言ってよいでしょう。

泉重千代さんは、薩摩藩(なんと江戸時代!)奄美群島徳之島生まれ。
青年期から亡くなる数年前まで、農作業に従事していたことが知られています。
泉さんの若かりし頃は、当然ながら舗装された道路などありませんでした。
裸足、またはそれに近い状態で、やわらかい土を踏みしめてたくさん歩き、遊び、働き、年齢を重ねられたのだと思います。
子どもの頃に足趾(ゆび)でしっかりと地面をつかんで歩くと、アキレス腱や足底腱膜が引っ張られ、足長(足のサイズ)や足趾長(足のゆびの長さ)は短くなる傾向があります。
そして、足裏のアーチを形成する筋肉が鍛えられることにより、足幅(足囲)は太くたくましく成長し、トラブル知らずの強い足ができあがるのです。

ひるがえって、現代の私たちはどうでしょうか?
最近では、学校のグラウンドですらアスファルト舗装のところも珍しくありません。
交通機関が発達した結果、歩く距離も時間も、著しく減少しています。
あえてスポーツジム通いや習い事をしなければ、運動をする機会のない人が、どんどん増えています。
このような足や足趾は、筋腱に牽引されることなく、するするとモヤシのように前に伸びていきます。
足長は大きくなりますが、華奢でひよわな足ができあがる、というわけです。

さらに、昨今街を歩く人々の姿を眺めていると、実に問題の多いフォームが目につきます。
華奢な足が、硬い地面の上を、合わない靴と間違ったフォームで歩く…トラブルが起きないはずはありません。

足の骨の成長は10代のうちに完了してしまうため、その後トレーニングに励んでも骨の長さや大きさ自体には変化はありません(ただし、骨密度には変化があります)。
現代人は、自分たちの足の特徴を知り、その上で弱点をカバーするような足の鍛え方とまもり方をしなくてはならないのですね。

成人した後でも鍛えられるのは、足裏のアーチや全身の姿勢を維持する筋力です(*註3)。
一方、鍛えることのできない靭帯や軟骨などは、言わば「限りある資産」。
寿命までに食いつぶしてしまわないよう、消耗・摩耗を防ぎ、まもってあげる工夫が必要です。


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*註1 足の骨格を決めるのは、先天的要因よりも後天的要因の方がはるかに大きいのです。また、獲得形質(=後天的に獲得した性質)が遺伝するかどうかをめぐっては現在でも一部に議論がありますが、現在の分子生物学的知見ないし臨床的知見においては、少なくとも足の骨格に関して「獲得形質の遺伝」は認められていません。

*註2 ARS NOVA銀座NOGUCHI 野口真三男氏よりご提供いただきました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

*註3 トレーニングの方法やフォーム、ペース配分などを誤ると、逆に身体を痛めつける結果になってしまうこともあるので、注意が必要です。どんな運動でも、違和感を感じたらただちに中断し、原因を突き止めることが重要です。
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整いました!×2

2011.06.23.Thu.02:33
今日は、アーチテーピング施術のお客さまがご来店されました。
先月シューズを購入され、その後定期的にフットケアにもお越しいただいています。

テーピングは、痛みやトラブルに対する即効性もありますが、継続してこそ真の効果を発揮してくれるので、最低でも数ヶ月は続けていただきたいケアです。
初めのうちは足がかたくなにテープに「反抗」するのですが、回を重ねるごとに筋肉の緊張がほぐれ、徐々にテープが貼りやすい足になっていきます。
最近では姿勢や歩き方が変わってきたせいかスタイルまで違って見え、それがさらに前向きなケアに繋がっているようです。
もともとスタイルの良い方でしたが、土台となる足のアーチが整うと、体幹がうまく使えるようになり、プロポーションもさらに整う!んですね。
足の「健康」から、最近は全身の「美容」にもウィングが伸びてきたご様子。
こういう貪欲さは、¡Olee!ですね。

テーピングは、通常3日くらいはもちますが、1週間に1度のご来店だと、週の残りの4日間はテープをはずした状態になります。
「テープをはがすとき、いつも残念な気持ちになるんです」と話してくださいました。
でも、来月からはセルフテーピングレッスンを受けていただく予定なので、ご自宅でもテーピングができるようになります。
そこから数ヶ月はご来店とご自宅でのテーピングを併用し、ご自身でケアできるようになったら、晴れてめでたく「ご卒業」合格

テーピングの醍醐味は、体調や足の状態に合わせて、必要なときに必要なケアが自分でできるようになること(もちろん、お財布に余裕がある方は、ずーっと通っていただいても全然差し支えはありませんケド^^)。
自分の身体や足と対話する時間を持つことは、踊り手としてもひとりの人間としても、とても大切だな、と思います。

最近、すっかりケアを怠りっぱなしの自分自身への反省を込めて…


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足の3つのアーチ 2/2

2011.06.20.Mon.01:45
足のアーチの乱れ・沈下は、近年とみに若年化、重症化が進行しています。
アーチが乱れると、骨格の立体構造が失われます(*註1)。
このため安定を欠き、バネやクッションの機能が低下し、ひいては全身の骨格の配列が乱れてしまうことも珍しくありません(*註2)。
建物をまっすぐしっかり建てるには、基礎工事が重要ですよね。
同じように、人がまっすぐしっかり立つときも、土台となる足が全身バランスの鍵を握ります。

①横アーチが沈下することを、「開張足(かいちょうそく)」といいます。
前回のテーマでもご説明したとおり、外反母趾の前ぶれは、この開張足。
もしさほど変形がないように見えても、プランタの位置(←フラメンコをしていない人にはわからないですよねあせる *註3)が痛かったりタコやウオノメができていたりしたら、程度の差はあれ、ほぼ開張足とみて間違いないでしょう。

②内側縦アーチ(=土踏まず)が沈下することを、「扁平足(へんぺいそく)」といいます。
踵から足趾(ゆび)のつけ根までの骨格が大きく崩れ、ちょっと歩いただけで疲れやすくなり、脚がぱんぱんに張ったり、むくみがひどくなったりします。
また、本来は地面に触れない場所にある舟状骨という骨が、骨格の乱れにより地面からの断続的な衝撃・負荷を受け、骨の隆起(外脛骨)ができる場合もあります(*註4)。
扁平足が進行すると、足関節(足首)や膝関節、股関節等の歪みが大きくなり、痛みを生じるケースも見られます。

③外側縦アーチの沈下には、特別な名称はないようです。
3つの中でもっとも小さいアーチですが、立位での安定や、歩行・運動時の重心移動コントロール等において、たいへん重要な役割を果たしています。
踊りの軸が安定しにくい方は、外側縦アーチの乱れも一因になっている可能性があります(*註5)。
また、普段履いている靴をチェックして、第五趾(小ゆび)の横の部分が地面で擦れたような痕跡があれば、外側縦アーチの沈下が進行している可能性が高いでしょう。

では、アーチはどうして乱れ、沈下してしまうのでしょうか。
原因は多岐にわたりますので、詳細は別の機会に譲りますが、やはり先天的素因と後天的素因の両方が考えられ、また多くの場合複数の要素が重なっています。
ただ、靴の選択、日常の姿勢・動作、生活習慣といった後天的な素因を改善することで、痛みを軽減したり、悪化を食い止めたりすることは可能です。
また、より積極的に、テーピングやストレッチ、正しい方法でのトレーニング等を行えば、補正・改善の可能性もあります。

もっとも避けたいのは、アーチトラブルがあるという自覚なしに、不調などを「根性」で乗りこえようとすること。
私見ですが、フラメンコに夢中になる方は、根性があり、真面目で、痛かろうが疲れていようが練習をサボらない傾向が強いようです。
アーチトラブルには、脳と身体のコミュニケーション不全も一因しており、脳疲労も身体疲労も悪化を促進させる要因となります。
慢性的に睡眠不足の方が眠る時間を増やしただけで、外反母趾角が改善した事例を、私自身も何度も拝見しています。
今日はちょっと疲れているなあ…と感じたら、とにかくまず休むこと、眠ること、が肝心です。


*註1:アーチのトラブルは、ここでご紹介する「沈下」だけではありません。逆に、一見アーチがととのっているようでいて、きちんと機能しない「ハイアーチ」もあります。ハイアーチの人も、足が疲れやすく、むくみがひどくなりがちですが、そのメカニズムは今回のブログでご紹介するトラブルとは異なります。ハイアーチのトラブルについても、別の機会に取り上げていく予定です。

*註2:アーチ等の骨格配列の乱れ(これを「アライメント不良」といいます)は、連鎖的に起こります。目につきにくい小さな原因や、足から遠く離れた部位の原因が、大きなトラブルを引き起こしていることもあります。そして、その結果が新たなトラブルの原因になっていきます。これは、一カ所が歪んだり捩じれたりすると、そのバランスを取り戻そうという身体反応が起こるためです(=「代償行為」)。言い換えれば、こうしたトラブルスパイラルは、原因がひとつ改善すれば、逆の波及効果も期待できると言えるでしょう。

*註3:第二~四中足骨骨頭から数mm踵寄りの位置です。

*註4:日本人の5人に1人程度は、この外脛骨があるといわれています。外頸骨は、素足では痛みがないことが多いのですが、靴に当たって違和感や痛みを感じるケースも少なくありません。また、ズキズキと痛む有痛性外脛骨では、治療が必要なケースもあります。

*註5:外側縦アーチの頂点付近には第五中足骨基部(バジス)があり、歩行時に重心がバジスに差しかかると、脊柱起立筋群に「このポイントの真上に上体を立たせなさい」という信号が送られます。
脊柱起立筋は、立位姿勢の保持を司るもっとも基本的で重要な筋(抗重力筋)のひとつです。


foto : 扁平足の方のフットプリントです。土踏まずの部分もペタッと接地しており、対照的に足趾(ゆび)は第一趾(親ゆび)以外接地していないのがわかります。
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限定修理キャンペーン開始!

2011.06.16.Thu.11:36
「足の3つのアーチ」の続きは、次回に掲載します。

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アメンバーさま、Twitterフォロワーさま限定のキャンペーンです。

第一弾はハーフソール(ゴムの替え底)交換。

通常料金1,890円(税込)を特別料金1,260円(税込)にてご提供いたします(ただし、溝入れなし)

マテリアルは、定評のあるセノビージャオリジナルの黒またはベージュ。

ご依頼・お問い合わせ等につきましては、メールにてお願いいたします。

senovillajapon★gmail.com ←★を@に換えてご入力ください。

ニックネーム(アメンバーさま)またはユーザー名(Twitterフォロワーさま)を明記してください。

よろしくお願い申し上げます。


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なお、余談ですがセノビージャ・ハポンは、定期のバーゲンセールを一切おこなっておりません。
これ以上は厳しいというくらい、ギリギリまで価格を下げてご提供しているためです。
とくに3.11の震災後、「日本のアルティスタや愛好者の支援をしたい」というスペイン・セノビージャの意向・協力により、当初予定していた販売価格を大幅に見直し価格設定をおこなっています。
今後何らかの販売キャンペーンをおこないたいという想いはあり、スペイン側とも鋭意協議中ですが、定期的なセールは実現が困難な状況です。

また修理等につきましても、弊社の日本在住スタッフは一名でフィッティング、販売、調整、修理、フットケア、その他実務(ブログも書いてます)をおこなっているため、一般に幅広く呼びかけての定期的なキャンペーンは当面おこないません。
ただし、アメンバーさま、フォロワーさまという限定があると、ある程度の数量的予測が立ちますので、こちらは随時キャンペーン内容を考え実施していきたいと思っております。
ご理解とご協力のほど、お願い申し上げます。


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足の3つのアーチ 1/2

2011.06.15.Wed.00:53
唐突ですが、人間の骨は、全身でいくつあるかご存知でしょうか?
実は、人によって骨の数は若干違います。
でもたいていの人は、全身で206の骨があるといわれています。

では、足(脚は含めず足首より下の部分だけ)にはいくつの骨があるでしょうか?
答えは、通常片足で26(種子骨を含め28とする数え方もあります)、両足で52。
足首から下のこの小さな部分に、なんと全身の4分の1の骨が密集しています。

ひとつひとつの骨は、とても小さいピース。
それらが立体パズルのように絶妙に組み合わさって、足を形作っています。
地面と身体の間に挟まれた足は、小さいながら重労働をこなしています。
足にかかる負荷は大きく、小さなパーツが連携して働いてくれるからこそ、私たちは立ったり歩いたり踊ったりできるんですね。
こうした仕事を機能的にこなすための仕組み、それがアーチ(足弓)です。

アーチは、片足に3つ備わっています。

      ・横アーチ
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      ・内側縦アーチ(土踏まず)
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      ・外側縦アーチ
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各々のアーチについての詳細な説明はここでは割愛しますが、これらのアーチによって、以下のことが可能になります。

     ①立位の安定
     ②運動時における地面と身体の間のエネルギー変換
     ③衝撃吸収

①の説明については、カメラ等をセットする三脚の例がよく用いられます。
人間が二脚でバランスよく立つために、足の中に三脚が必要が必要だった、というのは何とも興味深い話です。
この三脚はまた、凸凹の地面や坂道を歩くときにも活躍します。

②については、足の中のバネ、という比喩がしばしば使われます。
これはフラメンコのサパテアード、たとえばドブレゴルペなどを思い浮かべれば、理屈抜きに実感できるでしょう。
足が地面を打撃すると、地面から押し返してくる力=「床反力」が生まれます。
床反力は足のアーチを経由し、次のゴルペを促すエネルギーに変換されます。
もし足にアーチがなく、たとえば一枚の板状の骨でできていたとしたら、おそらくバイレ・フラメンコというアルテは成立しなかったに違いありません。
なぜならバイレ・フラメンコは、足裏を通じて地球のエネルギーと交信する踊りなのですから。
そして、バイレ・フラメンコに求められる粘りやキレといった時差(緩急)を生み出すためには、アーチの作用が不可欠なのです。

③は、足のクッション機能ないしサスペンション機能などと呼ばれます。
地面から衝撃を受けると、アーチはわずかに形を変化させて免荷します。
もしこの作用によって衝撃が和らげられなければ、私たちは歩いてもすぐに疲れてしまいますし、身体の重要な部分(例えば脳や心臓など骨に覆われているところは、衝撃に弱い部分です)に負荷がかかってしまい、やがては故障を招いてしまいます。
こんな小さな足が、全身の健康をまもっているんですね。

このように、身体の健康にとってもフラメンコを楽しむ上でも大切なアーチなのですが、とりわけ近年アーチの乱れ・沈下が声高に叫ばれています。
次回は、アーチをめぐるトラブルについてご紹介します。
(つづく)


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外反母趾でお悩みの方へ−2/2

2011.06.06.Mon.21:26
外反母趾になるときは、必ずその前ぶれとして、足の横アーチが崩れてしまう「開帳足」という現象が見られます(足の「3つのアーチ」については、機会をあらためてご説明します)。

この開張足の原因には、生まれつきの体質(先天的素因)によるものと、生活習慣(後天的素因)によるものがあります。

先天的素因というのは、たとえば、生まれつき靭帯・筋肉の結合組織が柔らかい体質などのこと。
これは主に女性ホルモンの働きによるもので、とくに母親から女児への遺伝的影響は顕著に見られます。
じつは、私自身もまさしくこのタイプ。
さほどストレッチに励んだ記憶もないのに、体前屈は学年で二番目でした。
前後や左右の開脚も、難なくできました。
「身体が柔らかくていいねー」などと褒められ、まんざら悪い気はしなかったのですが、物事にはプラスマイナスがあるものですね。

でも、身体が柔らかいからといって、悲観する必要はありません。
ほとんどの場合、外反母趾を悪化させるのは後天的素因なのです。
先天的に身体の柔らかい人でも、正しい知識を持ち、ケアを怠らなければ、悪化を食い止めることはできるのです。

後天的素因の代表的な例は、以下のようなものです。

①足に合わない靴(爪先が細すぎる靴、ヒールの高い靴、足長がきつすぎる靴、足幅がゆるすぎる靴、踵がゆるく着地が不安定な靴、などはとくにNG)。
②運動不足、または運動のし過ぎ。
③体幹の力が抜け、身体の末端に過度な負荷をかける姿勢・動作。
④体重の増加(足への負担が増す)。
⑤加齢による筋力低下。
⑥妊娠(結合組織が一時的に緩み、変形を受けやすくなる)。
⑦睡眠不足による足のむくみ(足を機能的に使えなくなる)。
⑧日常動作における癖(全身の骨格の配列=アライメントが乱れる)。
⑨精神的ストレスによる筋の拘縮。
                        …などなど。

こうして見ると、誰にでも最低ひとつやふたつは当てはまりそうなことばかりですね。
残念ながら、同じように過ごしていても、先天的素因の違いによって、外反母趾になりやすい人となりにくい人がいるのは事実です。
外反母趾になりやすい人は、ご自身の体質や癖をしっかりと把握し、靴や姿勢、生活習慣に配慮することが大切だといえるでしょう。

一方、テーピングや運動、生活習慣の改善等をおこなえば、外反母趾になりやすい人ほど、元に戻りやすいということもできます。
いままでのマイナス要因をプラス要因に変えれば、つまり原因を究明して改善すれば、その結果も出やすいわけです。
逆に、身体の硬い人が長い年月をかけて外反母趾になった場合、改善には多くの時間と努力を要します。
いずれのケースでも、ケアが早ければ回復の可能性も、それだけ高くなります。
とくに外反母趾の初期~中期は、見た目の変形はそれほどでもないのに、痛みや違和感を感じることがよくあります(そのまま症状が進行して関節が脱臼してしまうと、痛みはなくなります)。
これは、前回のブログでご紹介したように、滑液包が炎症を起こしている証しで、言わば足が悲鳴をあげている、ということ。
こういう場合は決して放置せず、必要な処置を早めに講じていただきたいな、と切実に思います。


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外反母趾でお悩みの方へ−1/2

2011.06.05.Sun.16:30
*以下、テキストが紫色の部分は医学用語の説明です。不要な方は読み飛ばしてください。
............................................................................................................
外反母趾(*1)で悩んでいます、とおっしゃるお客さまから、よくご連絡やご相談をいただきます。
かくいう私自身も、物心ついたころから親譲りの外反母趾でした。
5歳のころにはすでに、足趾(あしゆび)のつけ根に立派なバニオン(*2)ができていました。
思春期、街で見かけるおしゃれな靴たち。
自分には縁のないものと最初からあきらめ、スニーカーやローヒールをガマンしながら履き続けました。
その結果、外反母趾はさらに悪化し、20代最後の年に外反母趾矯正手術を受けることになりました。
手術後、主治医から紹介されたドイツ人マイスターに、靴をあつらえてもらいました。
一目見ただけでテンションががっくーんと下がるくらい、可愛くない靴でした。
数年間その靴を履き続け、やがて外反母趾は再発しました。
痛みを覚え受診した私に、主治医は二度目の手術を勧めたのです。

何かがおかしい…と思いました。
いままでオシャレをガマンして、ダサイ靴を履き続けてきたのは無駄だったの?
悩んだ末、ひとつの決断をしました。
手術はやめよう。
トラブルには原因があるはずだから、それをちゃんとつきとめよう。
自分の健康は自分で守らなくちゃ。

まず、独学で整形外科学・基礎解剖学などの勉強をはじめました。
趣味でもあり仕事(代教指導講師をしていました)でもあったフラメンコ舞踊を通じて、基礎解剖学的な知見を得られたことも、全身の機能や構造を理解するのに役立ちました。
独学に限界を感じた30代後半、思いきって仕事を整理し、まずフスフレーゲ(*3)のプロフェッショナルライセンスを取得、ついでドイツ人マイスターから整形靴調整・製作技術(*4)を学ぶ全日制の学校に一年間通いました。
短期研修でドイツ・ハノーファーのマイスター学校にも行き、実技研修とテストを受けました。
卒業後は、整形靴販売や靴修理の仕事をしながら、複数の職人の工房で注文靴や手縫い靴の技術を学びました(一部は現在も継続中です)。
また、半世紀近いキャリアと素晴らしい技術を持つ専門店の店主に弟子入りを志願し、フィッティングの手ほどきも受けました。
いずれの場所でも、真剣に学びたいという意欲を感じ取ると、本当に多くの方が懐を広げてご自身の持てるものを開陳してくださいました。
このことは、どんなに感謝しても足りないと思っています。

しかし、少しずつ知識や経験が増えるたび、初めから知っていたら手術なんかしなくてもよかったのに、と思うようになりました。
たいへん不遜な言い方になりますが、それまでシューフィッターやマイスターに選んでいただいた靴は、どれもまったく足に合っていないばかりか、むしろ足や身体に悪影響を及ぼしていたことがよく判りました。
そして、なによりも深く痛感したのは、

①足にフィットした靴を履くこと
②きちんとした姿勢・所作(座る・立つ・歩く・横たわる・物を持つなど)と生活習慣(食べる・鍛える・休ませる・寛ぐ・眠る)を身につけること
③必要なときに必要なケアをすること

…などの方法を通じて、自分の身体や健康は自分で創り上げることができる、ということでした。

誤解がないように申し添えると、手術の執刀医は日本屈指の名医で、手術そのものは成功でした。
しかし、そもそも外科手術というのは、「結果」にメスを入れて改めることであり、「原因」にメスを入れるものではまったくないのです。
「原因」を変えない限り、再発するのは当然のことでした。

では、外反母趾の「原因」とは、いったい何なのでしょうか?

(つづく)

(*1)
Hallux Valgus:外反母趾は、一般には足の親ゆび(母趾または第一趾といいます)が内側に「く」の字状に曲がる症状と理解されています。実際には、母趾の①外転(水平面)、②回内(前頭面)、③底屈(矢状面)という3Dの変形を生じるのですが、上から足を見下ろすと外反(外転)だけが目につくため、この名がついたのでしょう。また、外反母趾が進行する前にかならず起こる現象(=必発症状)に、足の横アーチが低下する「開張足(かいちょうそく)」というトラブルがあります(土踏まずの低下も同時に起こるケースが多いのですが、必発するとは言えません)。アーチ低下の要因はたくさんありケースバイケースなので、個別具体的な検証が必要となります。私の場合は、先天的素因(女性ホルモン等の遺伝により靭帯が極端に柔らかい)と環境要因(幼少期からの靴選びの誤り、雪国・平地育ちのため足趾の運動負荷が不足していたこと)が決定的に大きかったと思われます。

(*2)
Bunion:第一中足骨骨頭腱膜瘤、第一中足骨骨頭滑液包炎などともいい、足の親ゆびのつけ根の関節を保護しているクッション(滑液包)が炎症をおこして腫れた状態。外反母趾の初期~中期にみられ、皮膚の上からも赤く腫れ上がっているのがわかります。

(*3)
Fusspflege:ドイツ語で足の手入れ、フットケアのこと。18世紀後半にヨーロッパ貴族の足の手入れのために生まれた技術が発端ですが、現在ではおなじみのリフレクソロジーや角質ケアから巻爪・O脚・外反母趾等の補正、テーピング、タラソテラピー、靴調整、歩容分析・カウンセリング…等々幅広いジャンルをカバーしています。

(*4)
Orthopaedie-shoetechnique:整形靴技術(オートペディシューテクニカー)もまた、実に多くのジャンルに細分化されています。私が通った学校では、①靴に入れる分厚い中敷(アインラーゲン)を作る、②既成靴を足のさまざまなトラブルに合わせて調整する(インソール・アウトソール調整)、③足の計測・採型をして木型を作り、それを元に靴を作る、④脚長差(左右の足の長さが違う)のある人のための靴を作る、などの実技がカリキュラムとして用意されていました。ただ、このブログで少しずつご紹介することになると思いますが、私自身の現在の考え方は、必ずしもオートペディと一致してはいません。全否定するつもりはありませんが、場合によってはマイナス面も少なからずあることは、もっと知られていいと思っています。

フィッティングとはなにか?

2011.06.05.Sun.12:38
フィッティングというと、一般的には「試し履き」のイメージが強いのではないでしょうか。
試し履きは、フィッティングにおける一つのステップではありますが、すべてではありません。
フィッティングでもっとも大切なポイントは、靴を選ぶ方が、ご自身の足や身体ときちんと「対話」をすること。この対話をサポートするのが、フィッターの役割といえます。

セノビージャ・ハポンのフィッティングは、以下のような流れで行っています。

①ヒアリング
日頃から気になっていることやお悩みなどについて、お客さまからお話を伺います。

②フットプリントチェック
フットプリントをとり、足底圧を計測します。足や身体のコンディション、身体の軸や癖、気をつけなければならないウィークポイントなどを知ることができます。

③採寸
専門的な器具を用いて、足の精確な採寸をします。採寸箇所は、ケースバイケースで異なりますが、通常数カ所。深刻なトラブルのある方に関しては、20カ所以上に及ぶ場合もあります。

④カウンセリング
①~③の結果をお客さまと共有し、靴を選ぶ際のヒントにしていただきます。

⑤靴の履き方チェック
どんなにいい靴でも、履き方が悪ければ百害あって一利なし。多くの方が、関節に負荷をかけ、足裏アーチをつぶして捩じ込むような履き方をされているようです。靴を履く際の姿勢も、ポイントになります。

⑥試し履き
①~⑤の結果をもとに、複数の靴を試し履きしていただきます。

⑦調整ポイントの確認
お客さまの多くは、大なり小なりトラブルやお悩みをお持ちです。靴に調整を施すかどうか、施すならどの程度にするか、などを話し合い、実際に靴の中にパッドを入れるなどして確認していただきます。

⑧シェアリング
ここまでの段階で、トラブルやお悩みの原因が判明することもよくありますので、原因別に、今後どのような点に気をつけていけばよいか、改善のために何が可能か、などを話し合います。

これまでの例では、以下のようなシェアリングを行いました。
・トラブルを招く姿勢や生活習慣などを洗い出し、改善点を確認。
・毎日行っていただきたいケアやトレーニング方法をアドバイス。
・外履きの靴や室内履きなど、他の靴を選ぶ際の注意点をアドバイス。
・アーチサポートテーピング(詳しい説明はまた別の機会に)のお勧め。
                             etc.

セノビージャ・ハポン公式サイトでもご紹介していますが、フラメンコは、ウォーキングよりずっと強度の大きい運動です。
できるだけ身体に余計な負担をかけないこと、
トラブルを未然に防ぎ、今あるトラブル悪化させないこと、
鍛えるべきところは鍛え、護るべきところは護ること、…
これらは、フラメンコを長く続けていただくため、舞踊寿命を延ばすためには、決してはずせないポイントでしょう(かくいう私自身も、一生涯踊り続ける、という野望を胸に秘めています宝石赤)。
靴選びやフットケア等を通してその一助となれたら、フィッターとして、またフラメンコを愛する一人として、こんなに嬉しいことはありません。

10年後、30年後、半世紀後…できれば踊り続けていていただきたいですし、もしフラメンコを辞めてしまったとしても、元気ではつらつと歩いていていただきたいな、…そんな気持ちをこめて、毎日お客さまの足と向き合っています。

foto : フットプリントをとっているところです。最近では、専門店や百貨店・スポーツジムなどにも置いてあることが多く、ご体験のある方もいらっしゃるのではないかと思います。
フットプリントをチェックすると、現在のトラブルだけでなく、将来的なトラブルの種などが見つかる場合もしばしばあります。セノビージャ・ハポンでは、ただプリントをとるだけでなく、その結果をお客さまと共有する作業を大切にしています。

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