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ナチュラルメイクの革/厚化粧の革

2011.08.05.Fri.18:42
革の手入れならこの人に聞け!と言われる名人が、浅草にいます。
お名前は、安富好雄さん。
シューケア製品を扱う輸入商社を定年退職された後、「彩革の匠(しょう)」というお店を構え、ご自身の経験を活かした革製品のメンテナンス業務、またその知識や技術の普及に努めておられます。
「革は水に濡らしてはいけない」という従来の常識をくつがえし、「革も水を欲しがっている」ことを説得力ある論理と確かな技術で証明する、いわば革の伝道師。
テレビや雑誌などで、靴やバッグを手に解説する安富さんの姿をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この安富さん、実は修理職人たちの救世主でもあります。
たとえば高価なブランド品を修理していて、誤って革に疵(きず)をつけてしまったとき。
革の疵隠しは、多くの場合、疵補修をした後、その跡をごまかすために全体をリカラー(染め直し)したりします。このため、本来の素材感が失われたり、色合いが微妙に変わってしまうことも。
ところが安富さんは、魔法のようなテクニックで、全体の風合いは元のままに、疵を「なかったこと」にできるのだそうです。
以前安富さんに革疵の修復を依頼した知人は、「目を凝らして見ても、疵がどこにあったか全然わからないんだよね」と話してくれました。
ちなみにこの革物修理職人氏も、相当のキャリアと腕前の持ち主。
彼が見破れなければ、おそらく大抵の人は、言われてもまったく気づかないでしょう。

靴学校に通っていたころ、外部講師を務めておられた安富さんの講義を何度か受けたことのある私は、セノビージャ・ハポンを立ち上げたご報告とご挨拶をかねて「彩革の匠」を訪ねました。
わずか数回の講義、しかもこちらは大人数の受講生の一人であったにもかかわらず、安富さんは憶えていてくださり、お忙しいなか時間を割いてくださいました。

持参した靴を見せると、開口一番「お、いい革だなあ…こういう革は最近なかなかないんですよ。厚化粧の革ばかり増えちゃってね」と安富さん。
セノビージャの靴に使用している革(表革)は、セミアニリン仕上げのボックスカーフ。
仔牛革の銀面(真皮層の表面)の自然な風合いを活かし、染料と顔料を組み合わせて仕上げられています。
一方、安富さんのおっしゃる「厚化粧の革」とは、疵や色ムラをかくすために、顔料だけで仕上げられた革のこと。こうした革は、新品のときにはフラットな均一感がありますが、透明感に乏しく、安富メソッドのキモである「水」との相性がすこぶる悪いのです。
最近では、名だたる高級ブランド靴でも、顔料仕上げの革を使ったものがどんどん増えています。
このような革の修復依頼がくると、まず革にベットリ貼り付いた顔料をはがすのが一苦労なのだとか。
とりあえずぱっと見が美しければいい、メンテナンスは二の次、という昨今の風潮を、安富さんはしきりに嘆いておられました。

「水が染み込む革が、良い革、自然な革なんですよ」が口癖の安富さん。
セノビージャの靴を手にとり、「こういう革を見ると安心しますね。これなら、自信を持ってメンテナンスできますよ。いつでも相談に来てください」と、力強いエールを贈ってくださいました。

セノビージャ・ハポンが販売する靴には、安富さん仕込みの靴のお手入れ方法を書いた「取説」が一足ずつに添付されています。
基本はまず汚れを落とし、水分を補うこと。栄養を入れるのは、その後です。
ただしリキッドタイプ(←これが顔料系の代表格です)やミンクオイル(これはワークブーツなどのオイルドレザー用、靴が型崩れを起こします)は絶対NG。

私も、忙しいときほど無性に靴メンテナンスがしたくなります。
靴を磨いていると無心になり、綺麗になった靴を見ると、気分もウキウキしてきます。
自分のスキンケアは、ほったらかしですが…

foto : 安富マジックで磨いていただいたカルメン。「ちょっとやりすぎちゃったかな。こういう靴は光らせすぎない方がいいかも…」と言いつつ、ピッカピカに仕上げていただきました。でも、安っぽい光沢ではなく、革の内側からぱあっと明るくなったよう。暗い場所でも照明映えしそうです。

$Senovilla Japon(セノビージャ・ハポン)公式ブログ


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